更新日:2014年01月11日 16:36
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Facebookなどで拡散中の「巨大イカ」は、嘘ニュースサイトのネタだった

 現在、FacebookやTwitterなどを通じて「カリフォルニアで巨大イカが 放射能の影響で巨大化か?  Giant Squid Discovered On California Coast And Scientists Suspect Radioactive Gigantism」(http://www.lightlybraisedturnip.com/giant-squid-in-california/)というニュースが国内外を通じて拡散している。
Lightly Braised Turnip,巨大イカ

Facebookなどで拡散中の巨大イカ画像を載せる海外サイト「Lightly Braised Turnip」

 しかし、あれはどう見てもおかしい。  まず、発信元サイトの名前が「LightlyBraisedTurnip(軽く煮込んだ蕪)」なんて、どう見てもまともなニュースサイトではない。アメリカにもthe onionという虚構新聞のような風刺的ジョークサイトはあり、他の見出しがネタ臭すぎることからも怪しい。  第二に、画像自体なんかおかしい。周囲の群衆はピントがあっているのにイカはぼやけている。しかも右下辺りの群衆の上には画像をコピペしたあとの空白が修正されずに残っている。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=567611
巨大イカ

黄色囲み内で画像の処理が粗雑で空白ができている(via Lightly Braised Turnip)

 というわけで、この画像は物凄く稚拙なコラと判断。  元画像を探してみた。  すると、イカの写真はスペインで打ち上げられた大王イカのようである。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=567612 大王イカ※【参照サイト】http://www.livescience.com/40180-giant-squid-washes-ashore-on-spanish-beach.html  また、周囲の群衆の写真はチリで鯨の死体が打ち上げられたときの画像のようだ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=567613 鯨※【参照サイト】http://www.4thmedia.org/2011/11/04/whale-found-dead-in-chile/  さらに、記事内に出てくる「専門家」である。同記事ではカリフォルニア大学サンディエゴ校のBruce Kennerなる人物と「サンタマリノカレッジ」なるカレッジのMartin L. Grimmが出てくるが、Googleで検索してもそんな人物が該当する機関に所属していないし、サンタマリノカレッジに至ってはそんな名前のカレッジすらヒットしない(※もちろんGoogleで検索しただけなので100%存在しないとは言えないが、少なくとも大学の研究者で一切名前がヒットしないのは考えにくい)。  以上の点から、これはフェイク画像としか考えられないのである。  日本でも虚構新聞などのよく出来た風刺ネタ記事をうっかり信じてしまう人もいるくらいだから、海外サイトであればまあ仕方ないかもしれない。  しかし、海外ネタなどにも慣れているはずの一部のニュースサイトなどが、”「パロディサイト」ではないかと言われている”などとしつつも、調べれば一瞬でわかるこれらのフェイクであるソースを見て見ぬふりしつつ、しかも元記事では本文で触れられていただけの「福島の放射線」という箇所を敢えて見出しにして強調しつつ拡散に協力していたのはまことにイカンである。イカだけに。 <取材・文/日刊SPA!取材班> 
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