中国「覚せい剤村」内部の様子を公開
昨年末、中国で村ぐるみで覚せい剤を密造していた村が摘発された。人口1万4000人あまりの広東省陸豊市博社村に、3000人以上の武装警察、ヘリコプターや高速艇までが動員され、村のトップである共産党支部書記ら180人以上が逮捕された。77か所に及ぶ覚せい剤工場が摘発され、覚せい剤3トン、原料約100トン、そして銃器や爆弾など武器も多数、押収されたという。香港紙は、博社村で押収された3トンは、香港の末端価格では約240億円にもなると報じている。日本に持ってくれば、もっと大きな額に化けるだろう。
同村はもともと、土地が痩せた貧しい寒村だったが、90年代から覚せい剤の密造を開始し、それに関わる者は一気に豊かになったという。村のトップである共産党書記が密造利権を牛耳り、武装した私兵を村の入口に置いて警察や部外者が入れないようにしていたというからヒドイ話である。摘発時、村の全世帯のおよそ5分の1が、覚せい剤密売の製造・密売に直接関わっていたという。このたび、中国メディアの記者が摘発直後の同村の様子を取材した記事が話題となっている。その一部を紹介しよう。
●写真1:一見、古い建物が並ぶのどかな村と言った感じだ
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=571408
●写真2:村には、似つかわしくない豪華な建物が点在している。ドラッグマネーによって建てられたのだろうか
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●写真3:村の雑貨店には高級洋酒がズラリ。マフィアたちの酒宴用だろうか
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●写真4:こちらは摘発された跡の覚せい剤密造工場。機械類はすべて警察が押収し、もぬけの殻だ
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●写真5:村の周縁にはゴミの山が……。治外法権で無秩序な状態が続いていたためだという
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●写真6:村の子供たち。村には子供たちの遊ぶ公共施設がなく、汚染された田畑で泥遊びをしている
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いかがだっただろうか。同村では中国国内で製造される覚せい剤の3分の1の量が生産されていたといわれている。我が国にも近年、中国産覚せい剤の流入が増加し、昨年には愛知県の稲沢市議が覚醒剤を所持したとして、広州市の空港で中国の公安当局に逮捕される事件も起こっている。薬物に関しても習近平政権は厳罰で望むということだろうか。中国最大の覚せい剤密造地帯といわれている広東省では、13年7月から「サンダーボルト作戦」と題した大々的な薬物取り締まりを開始しており、これまでに1万人を検挙し、9トンの覚せい剤を押収したという。中国当局のこうした姿勢が、日本における薬物の取引や相場に影響を与えるに違いない。
<文/日刊SPA!取材班 写真/網易新聞>
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