株高、円安「アベノミクス相場」の都知事選リスク
東京都知事選挙が2月9日に行われる。これは、過去1年余り続いてきた株高・円安が「アベノミクス相場」ということなら、そのリスクの一つということにならないのだろうか。
◆無敗のアベノミクス相場「初黒星」になるのか!?
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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この間の株高、円安は、高い支持を受け絶対的な安定基盤で運営される安倍政権が、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、そして成長戦略という「3本の矢」に象徴される経済政策、いわゆるアベノミクスによってもたらされたとの見方は少なくないだろう。
そんな安倍政権の絶対的な安定基盤にとって、この都知事選はまったく気にすることのないものなのだろうか。この都知事選の本質は、脱原発を対立軸とした「安倍総理VS小泉元総理」との位置付けがある。それでも安倍政権の絶対的な安定基盤にまったく影響ないものなのだろうか。
朝日新聞によると、「自民党が独自に行った情勢調査では、(自民党支援の)舛添氏が(小泉元総理と連携する)細川氏を大きくリードしており、その差は開いている、とされる」(1月23日付け)。ただ、その一方で以下のような指摘もあった。
「表向きの強気の姿勢とは裏腹に、政府・与党の危機感は完全に払拭できていない。(略)原発慎重派の議員が、国民に高い人気のある小泉氏に触発され、勢いを増し始めているからだ」(同記事)。
その上で、「脱原発の世論が盛り上がれば、東電が目指す原発再稼働が遠のく可能性がある」(同)との見方を示していた。原発の再稼働が遅れれば、電気料金がさらに上がり、景気の腰折れ不安が浮上する懸念がある。それは安倍政権自身も、実は強く警戒しているシナリオとされる。
以上のように見ると、さすがに「細川新都知事誕生で安倍政権に大打撃!」となる可能性は低いだろう。ただ、原発再稼働が遅れることでの景気へのマイナスという警戒シナリオの可能性は十分ありそうだ。それは、「無敗のアベノミクス相場」における最初の「黒星」という評価になる可能性があるものではないか。
その割に、マーケットで都知事選への注目は、今のところとても少ないようだ。事前にある程度織り込まれた材料の影響は限られるが、ノーマークであればあるほど影響は大きくなる可能性があるものだけに、要注意ではないか。(了)
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