1ミリも悪気がなかったとしても男の一言は、ときに女の逆鱗に触れることがある。無神経な一言に感情的になった女性をみて、男はゲンナリ。「もういいよ、勝手にすれば」と、ケンカになって別れてしまうことも。 　ブライダルサービスのアニヴェルセル株式会社が、首都圏・関西在住の20～37歳の男女1397人に行なった調査から「交際相手に言われて女性が傷ついた言葉ランキング」の1～5位を紹介する。これらの言葉を、どう言い換えれば女性は傷つかずに済むのか。コミュニケーション・インストラクターの杉山美奈子氏に聞いた。 ◆5位「もういいよ、勝手にすれば」 　彼女が急にふてくされ始めたとき、しつこく詮索されて会話が面倒くさくなってきてしまったとき、つい言ってしまう一言。「会話を放棄するような曖昧な返事をするのではなく、何でもいいので『とりあえずご飯でも食べて話そうか』など、何か提案してもらえれば楽になると思います」（杉山氏） ＜言い換え例＞「とりあえずご飯でも食べて話そうか」 ◆4位「一緒にいても楽しくない、合わない」 「相手のことを一方的に否定してしまう一言。価値観が合っていると思っていた場合、言われた側は大きく傷ついてしまいます。『価値観が違ってきたのかなぁ』など、一方的に相手が悪いわけでなく、2人のズレが問題だということを伝えましょう。また、漠然と合わないと思っている場合は、『この映画好きなんだけど、どう思う？』など、自分の趣味に付き合ってもらうことで、何に興味があるか、何が好きなのか、2人の価値観を確かめられると思います」（杉山氏） ＜言い換え例＞「価値観が違ってきたのかなぁ」 ◆3位「嫌いになっちゃった・好きじゃなくなった」 「好き嫌いではなく、他のことで納得する理由を用意しましょう。『仕事に集中したいから別れてほしい』などが定番。同じ職場の場合は、実家の事情などを理由にするのもよいかもしれません。漠然と『やりたいことができた』なども『何？』と問い詰められそう。当たり障りなく、彼女に見えないような理由、踏み込めない理由を」（杉山氏） ＜言い換え例＞「仕事に集中したいから別れてほしい」 ◆2位「将来が考えられない、結婚が考えられない」 「こちらも『結婚するにはまだ自分はきちんとできていない』など、相手ではなく自分のせいにしてみましょう。また、自分と結婚すると大変かもということを行動で伝えるのも手です。『仕事が大変で全然帰れない』など、（彼女と）結婚が考えられないではなく、時期や自分自身の状況を理由にすることがポイントです」（杉山氏） ＜言い換え例＞「結婚するにはまだ自分はきちんとできていない」 ◆1位「容姿が悪い、太ってる、痩せたら？」 「以前よりも太っているかどうかは、本人が一番わかっていること。やばいなーと思っているタイミングで『痩せたら？』と言われても、『わかってるわよ！』と怒ってしまうだけ。直接的ではなく、スリムな服を『似合いそうだよ』と勧めてみたり、痩せているタレントを『この子最近人気だよね』と褒めてみたり、痩せてる子好きアピールをすると有効だと思います」（杉山氏） ＜言い換え例＞（スリムな服を指して）「この服似合いそう」 ◆相手を責めずに状況のせいにする 　女性が傷つく言葉には、交際や結婚など関係を否定するストレートな言葉が多くみられた。これらの言葉を言ってしまう背景には、男性が言われて傷ついた言葉（http://joshi-spa.jp/66614）と共通する点も多く、「付き合っていくなかで思いやりがなくなり、自分にも非があることが分からなくなっている」（杉山氏）といった要因があるようだ。 　対策としては、「相手を責めるのではなく、状況や2人の価値観の違い、仕事のせいにしてみることで、傷つける言葉は避けられます」（杉山氏）とのこと。 【杉山美奈子氏】 コミュニケーション・インストラクター。山梨学院短期大学非常勤講師。『暮らしの絵本　話し方のマナーとコツ』は37万部のベストセラーに。ほか、『できる大人のモノの言い方・話し方』など著書多数 ■調査概要 調査主体：アニヴェルセル株式会社 調査方法：インターネット調査 調査対象：首都圏・関西の20歳～37歳男女1400名（有効回答：1397人） 調査期間：2013年9月10日～18日 http://www.anniversaire.co.jp/ ＜取材・文／林健太＞