為替ディーラーに憧れ転職も…ブラックなFX業界の実態
―[[流行企業]転職組の今]―
ここ数年だけを見ても、スマホやファストファッションなど、続々と新ビジネスが台頭している。これら成長著しい話題の業界に飛び込んだ人たちは今、どうなったのか。彼らの転職後をリサーチした。
◆サービスに特徴のないFX会社ほど熾烈な過当競争に
<岩間洋平さん(仮名)30代・男性の失敗例>
●地方銀行(年収400万円)
⇒証券会社FX部門(年収750万円)
「為替ディーラーのスマートなイメージに憧れたのが、FX業界を転職先に選んだきっかけでした。でも、実態は商品先物業界と同じ。いかつい人たちの集まりで『こりゃヤバいとこ来ちゃったな』と。3日で辞めようと思いました」
そう笑うのは、’05年に地方銀行から証券会社のFX部門へ転職した岩間洋平さん(仮名)。
「入社してしばらくすると、FXブームで業績は急成長。でも、投資家にそっぽを向かれたらすぐに業績に響く不安定な業界。以前、取引システムのリニューアルがサービスの質の低下に繋がってしまい、多くのお客さんが離れてしまったこともありました。そのときはリストラも行いましたが、僕は残れた。理由は、上司の取締役に気に入られていたというだけなんですけどね」
それからも人気が拡大し続けたFXだが、実態は楽ではなさそう。
「FXの取引高は増えていますが、サービス重視ではない会社は過当競争で、海外に進出したり外為オプションを始めたりと、次の収益源を模索しています。労働条件だって週2回は夜勤があるし、給与は金融業界の水準から見れば安い。特にサービスに特徴がない会社ほど手数料無料は当然で、スプレッドの引き下げが熾烈ですから、労働環境はブラック企業に近いですね。今も上司の取締役のおかげで給料も多めにもらっていますが、その影響力が薄れたら辞めるかもしれませんね」
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