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流行のLINE関連企業に転職した男の今

ここ数年だけを見ても、スマホやファストファッションなど、続々と新ビジネスが台頭している。これら成長著しい話題の業界に飛び込んだ人たちは今、どうなったのか。彼らの転職後をリサーチした。

◆金融危機で給料遅配。流行のLINE関連に転職するも……

転職組<田中幸一さん(仮名)30代・男性の失敗例>

●準大手証券会社(年収300万円)
⇒株ニュース配信会社(年収800万円)
⇒LINE関連会社(年収600万円)


 全世界でユーザー数が3億人を突破したというLINE。その人気の要因が、可愛らしいスタンプ。そんなコンテンツを制作するLINE関連会社に最近転職したのが、田中幸一さん(仮名)だ。’00年に大学を卒業した田中さんは、ITバブルで狂喜乱舞するなか、準大手証券に入社。

「ところが、ほどなくしてITバブルは崩壊。顧客は1000人くらい、預かり残も30億円ほどと営業成績は同期のなかでもトップクラスでしたが、顧客に投資してもらうほど資産は目減りするばかり。なんだか顧客を沈めているように感じ、自己嫌悪に陥ってしまって……。ちょうどこの頃から『ネット証券』が登場し、ネット株が話題になっていたので、これからの時代は株のネットニュース配信だと思って転職を決意しました」

 転職先は希望した株ニュース配信会社。機関投資家との契約だけでなく、個人投資家向けの有料情報サイトも好調だったという。

「年収約550万円とそこそこの条件で転職でき、30歳のときには800万円くらいもらえた。ところが、今度はライブドアショックで個人投資家が激減、さらにはリーマン・ショックが追い打ちとなり、完全に終わりました……」

 民主党政権時の日経平均は8160円まで下がり、投資意欲も低迷。田中さんが働く会社は経営難に、給料の遅配もあったとか。

「このまま沈む舟に乗っていられないと思い転職活動をし、LINE関連会社へ。僕が転職する直前には給料の未払いもありましたから、次が決まってホッとしました」

 今は金融に関するスマホコンテンツ制作に携わっているそうで、年収は約600万円。LINE関連企業ということで勢いがあるが、「辞めたのは後悔していないけど、金融業界にいたかった」と納得できない部分もあるとか。

「転職活動をしていたのがアベノミクス前だったので、金融業界の募集がほとんどなかったんです。タイミングが悪くて。もともとは公務員志望だったけど、“人生は投資”。これからも成長産業に自分を投資していきたいですね」

 安定志向の田中さんは、皮肉にも成長産業に転職し続けるしかないようだ。

― [流行企業]転職組の今【1】 ―




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