「新興国危機はたいした影響なし」現役金融マンぐっちー氏
今年、経済的にリスクがあるのは新興国と語るぐっちーさん。アルゼンチンの危機的状況などさっそく年初から気になる話題も出てきているが世界経済にどれほどの影響があるというのだろうか? 展望をぐっちーさんが解説する
◆新興国投資はオススメしませんが世界経済は問題なし【後編】(現役金融マン ぐっちーさん)
⇒【前編】「世界経済は問題ありません」はコチラ
さて、たまたまアメリカ株も日本株も年初から下落しているのでこれを新興国危機とあおる向きがありますが、これも勘違い。リーマンショックに結びついたサブプライム問題のときにはサブプライムローンはアメリカのGDPの0.8%にすぎないのでたいしたことはない、と言う専門家が大多数でしたが私は真っ向から反論し世界大恐慌になるかもしれない、と発言しています。
実態は0.8%だが、このローンにレバレッジをかけて何倍ものリスクを取りに行っていた仕組みによって、その影響は計り知れないとわかっていたからです。さらにそれを大量に欧州の銀行が保有していたので、欧州危機の予測も簡単でした。その意味で、今回のアルゼンチンを発端とする新興国危機はそれほど大きな影響力はありません。理由はレバレッジが一切かかっていないからです。
例えばアルゼンチンが世界中に融資をしている、というなら大変な事態になるかもしれませんが、アルゼンチンはお金を借りているだけ。踏み倒されるほうはたまりませんが、規模で言うとせいぜい日本の九州くらいのもの。この程度のデフォルトは今の世界経済なら十分吸収できますし、誰かが困るというほどでもない。新興国への投資はお勧めできませんが、この問題をあまり過大評価しないようにしたいものです。
【今週の数字】
アルゼンチンペソの対米ドルレート(’14年2月12日現在)
7.8205ペソ(1ドル)
’02年以来、最大のアルゼンチンペソの急落を受け、1月24日にはロイターからブラジル中央銀行幹部がブラジルへの影響を注意深く監視しているという内容の報道も
【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している
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