新興国通貨安に便乗する投資術
―[新興国FX鉄板スワップ投資術]―
極端な新興国通貨安が進んだことで仕込みどきが到来! 各国で利上げが行われ、割安で高スワップ通貨を買えるようになったのだ。アベノミクスが再始動すれば、為替差益も期待大。放ったらかし投資術ここに極まれり!
◆新興国FX 鉄板スワップ投資術
今年に入って南アフリカランドの最大下落率は5.3%、ブラジルレアルは3.2%、トルコリラにいたっては8.1%と新興国通貨のバーゲンセール状態になっている。
その背景について、シティバンクなどで為替ディーラーとして活躍した、グローバルインフォ代表取締役の和田仁志氏が解説する。
「1月23日にアルゼンチンペソが15%以上も急落、新興国全体に波及し、“アルゼンチンショック”と言われましたが、実際は“ダボスショック”でした」
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1月下旬に開催されたダボス会議には、超大物投資家のジョージ・ソロスをはじめ世界経済を動かす要人が集結していた。そこには安倍首相の姿もあった。
「外国人記者に安倍さんは、日中関係を第1次大戦前の英独関係に例えたんです。そこから海外投資家は日中の武力衝突を連想。それまで“アベノミクスポジション”を組んでいた資金を引き揚げる動きに出ました。円売りを解消した結果、ほかの通貨安に繋がり、端的に現れたのがアルゼンチンなどの新興国だったわけです」(和田氏)
昨年から続いていた米国の量的緩和縮小観測によるマネー流出も重なり、新興国通貨安はリスク化していたが、ここに来て投資の妙味が出てきたという。
「通貨安の防衛策として、各国が金利引き上げなどの動きに出てきています。トルコは1月末に緊急の中央銀行会合を開き、政策金利を12%へ引き上げました。南アフリカも5.5%、ブラジルレアルも10.75%に金利を引き上げ。たとえ下落したとしても、これほどの高金利であれば、通貨下落をある程度吸収できる。投資先に検討する価値が出てきたと思いますね」(マーケットストラテジスト・山本雅文氏)
⇒【次回】へ続く『新興国通貨の仕込みどきをズバリ』https://nikkan-spa.jp/604843
【和田仁志氏】
グローバルインフォ代表取締役。シティバンクやスタンダードチャータード銀行で為替ディーラーとして活躍。精度の高い分析に定評あり
【山本雅文氏】
マーケットストラテジスト。プレビデンティア・ストラテジー代表取締役。日本銀行やバークレイズ銀行で活躍後、独立。日銀時代は為替介入の現場にいたこともある
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