ユーロ相場を決める「ドラギ・マジック」は成功するのか
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ECBの金融緩和は普通ユーロ安要因だが、決定後ユーロ高に振れる場合、一般的には「すでに金融緩和は織り込まれていたから」と解説される。これは基本的には、短期的に独金利とユーロが「下がり過ぎ」になっていることを指した解説だ。
そんな観点からすると、2011年12月と2012年7月、追加緩和でもユーロ高になったのは、すでにユーロが売られ過ぎになっており、その反動が入ったことが一因だっただろう。足元のユーロは小幅な売り越しにとどまっており、上述の2011-2012年の局面とは異なるといえそうだ。
少なくともユーロのポジションを見る限り、すでに金融緩和が織り込まれてユーロが売られすぎになっているということではなさそうだ。にもかかわらず、金融緩和後にユーロ高になるなら、むしろユーロ買いリスクテーク再拡大に動くという意味になる。
それを正当化できるかのカギは独金利だ。その独金利を決めるのは景気とインフレ動向。2-3日にユーロ圏CPIの発表が、5-6日にはハードデータの発表が予定されている。後者について、「受注など先行性の強い指標を中心に、関連サーベイと同様の陰りがみえてくる公算は十分ある」(専門家)との見方もある。
マーケットでは、ECB理事会前後のユーロ相場の値動きに一喜一憂し、「バイ・ザ・ルーマー、セル・ザ・ファクト」を巡り解釈論が横行しそうだが、「ファクト」はECB理事会とは別なところの見極めもじつは必要なのかもしれない。(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
5月初め、ECBドラギ総裁の追加緩和示唆発言をきっかけにユーロ安となってきた。ユーロ相場のトレンドを変える「ドラギ・マジック」になるか、6月5日のECB理事会が一つの試金石になる。一般的にはユーロ安継続に懐疑的な見方も少なくないようだ。ただカギは、独金利とユーロのポジションの2つであり、これを見る限りユーロ高への反動は限られるのではないか。
◆「バイ・ザ・ルーマー」見極める2つの鍵
2011年以降のECBの金融緩和は、2011年12月、2012年7月、2013年5月、同11月の4回あった。このうち、ユーロのポジションは、2013年11月を除く3回が売り越し、しかも2011年12月と2012年7月は10万枚以上の大幅な売り越しだった<
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