更新日:2014年06月19日 01:13
スポーツ

W杯観戦現場大混乱。スタジアムで「水が買えない」

セキュリティーチェックに大行列

開始2時間前、セキュリティーチェックに大行列

 13日行われた、サルバドール・アレーナフォンチノヴァでの試合を観戦した記者。試合はオランダが前回優勝のスペインを逆転で破る、スタジアム中を興奮のるつぼに陥れた試合だったが、その裏で「壮絶な戦い」が繰り広げられていた。  第1ゲートのセキュリティチェックを終え、スタジアム前の広場に出ると、協賛メーカーのドリンクブースが出ていたが、ビール、コーラ、水(この三種類しかない)を求める人が殺到。30度を超える暑さ、スタジアム内に持参の飲み物を持ち込めないゆえ、とりあえず飲み物を買おうとするサポーターが長蛇の列を作っていた。 「スタジアムに入って買えばいい」と思い、そこでは何も買わず、第2ゲートでチケットチェックを受け、スタジアムに入った記者。この選択が大きな間違いだった。なんとスタジアム内のドリンクブースの半分以上がシャッターが下りていた。理由を聞くと「あっちで買って!」とにべもない。その指先を見ると別のブースの前には人が溢れんばかりに並んでいた。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=661717  試合開始1時間前、ドリンクぐらい余裕で買えるだろうとたかをくくっていたが、行列は遅々として進まない。ボトルに入っているビールや水、コーラはスタジアムに持ち込めず、コップに移し替える決まりになっているため、その作業に店員が四苦八苦しているのだ。しかもブラジル人は小額でもクレジットカードで支払う習慣があるため、その手続きでももたついているのだ。  おまけにドリンクを売る店員はほとんどがアルバイトで、注文を受け、お金を受け取り、商品を手渡す作業に慣れていないのだ。試合開始10分前になってもドリンクが買えず、多くのサポーターからブーイングがでるほどだった。
売り場に殺到するサポーター

売り場に殺到するサポーター。商品を手渡すのに1人あたり2分くらいかかっていた

 ハーフタイム……怒涛のゲーム展開に、喉を枯らしたサポーターが再びドリンクブースに殺到。人員を増やすとか、ドリンクブースを増やすなどして対応するかに思われたが、改善の兆しはなし。45分間水分を我慢させられた人々は、遅々として進まないドリンク販売に爆発。「いつまでかかってるんだ!」「水1本まともに売れないのか!」の声が上がり、終いには責任者と思われる係員と汚い言葉で罵り合いを始める始末だった。さらにそれに端を発し、あちこちから抗議の声が上がったのだ
店員とついには口論に……

店員とついには口論に……

 結局、ハーフタイムでも記者や多くの観客は水分が取れず、90分間喉の渇きと戦わなければならなかった。ピッチでは素晴らしい戦いを見せられただけに、非常に残念な体験であった。これはサルバドールのこの試合に限った失態なのかもしれないが、日本から観戦に向かうサポーターは早めの行動と、確実な水分の確保を念頭に、楽しい試合観戦と、熱い応援をしてほしい。
衝撃の試合

ブラジル人も熱狂する衝撃の試合だった

<取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>
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