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地方のパブリックビューイングで見たブラジル戦の熱狂【W杯現地レポ】

 現地時間12日、ブラジル×クロアチアの試合で、1か月に及ぶ大会の幕が切って落とされた「FIFA WORLD CUP 2014 BRASIL」。記者は翌13日のビックマッチ、スペイン×オランダ戦観戦に備えて、ブラジル北東部の大都市サルバドールに滞在していた。

マイケル・ジャクソンがPVを撮ったことでも知られる歴史地区・ペロウリーニョ広場。国旗色の飾り付けがされていた

 サルバドールはブラジル最初の首都で、奴隷貿易の拠点となった都市で、黒人や混血が多く、リオやサンパウロとは文化的に大きく異る。カポエイラ発祥の地としても有名で、世界遺産の歴史地区・ペウロリーニョではマイケル・ジャクソンがスパイク・リーの監督のもと「They Don’t Care About Us」のPVを撮った地としても有名だ。  この地でも街中には飾り付けがされ、アーティスティックな装飾が目についた。この6月は「フェスタ・ヂ・サンジョアン」というブラジル全土で行われる「6月祭」と、6月12日に行われる日本のバレンタインデーにも似た「恋人の日」とブラジル代表の試合が重なり、前日から街全体がお祭騒ぎであった。  午後5時の試合開始に合わせ、街の商店街は昼過ぎから続々とシャッターを下し、街中には黄色いユニフォーム姿の人々が増えた。また、幹線道路は急速に車の台数が減り、タクシー、バスだけが動いている状態であった。

拳銃を持った警備員による厳重なチェックにビビる…

 記者は沿岸部の高級ホテル地帯、バーハにある公式のパブリックビューイング会場「FIFA FAN FESTA」に向かった。  会場につくと物々しい警備、厳重なボディチェックを受けてようやくファンフェスタの会場に入ることができた。試合2時間前だというのに会場は大盛りあがり。ときおり降りしきるスコールもなんのその。地元の人が叩く太鼓に合わせてコールや手拍子が起きていた。  試合開始前の国歌斉唱は大合唱。スクリーン上に映されるブラジル代表の選手を見て、感極まり涙ぐむ女のコが多くいた。しかし、試合が始まると雰囲気は一転。とくにマルセロのオウンゴールで先制を許すと、サンパウロの試合会場同様、重苦しい空気が支配した。ネイマールの同点ゴールが飛び出しても、試合の内容の悪さにブーイングが飛ぶ一幕もあった。

国歌斉唱は大合唱。感極まる人も

 後半、日本の西村主審によるPKが宣告されると、大盛り上がり。ネイマールがしっかりと決めて2‐1になると、ホッとした空気が会場を支配した。  記者もブラジルで代表戦を見るのは初めてであったが、試合前の盛り上がりと、試合中の固唾を飲んだような静けさ、そして弛緩と、日本代表の試合があるときの日本国内の空気とはひと味もふた味も違うことが分かった。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=661183  明日は地元紙でも「2010年決勝戦の再現」と大きく喧伝されている、サルバドールで行われるスペイン×オランダ戦の会場リポートをします。 <取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>
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