更新日:2016年03月04日 23:53
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中高年の覚せい剤使用者が増加「身体の衰えをカバーしたくて…」

 ASKAこと宮崎重明容疑者(56歳)の逮捕を受け、中高年のドラッグ濫用の実態が注目を集めている。平成9年度の統計では、覚せい剤事犯の検挙者のうち、50%が30歳以下の若者だった。しかし、平成25年度に至っては、大きく様相が変わっており、40歳以上が51%にのぼる。対照的に30歳以下は、たったの15%にすぎない。全体の検挙人員は、この17年間でほぼ半分に激減しているのに、40歳以上の検挙者は絶対数でも増加。覚せい剤常習者の高年齢化が進行しているのだ。  覚せい剤をはじめ、薬物事犯に詳しい小森榮弁護士はこう指摘する。 「分別のある中高年になって、初めて薬物をやるという人はレアケースです。たいてい若い頃に覚せい剤を経験していて、ドラッグに対する心理的な敷居が低いんですよ。そんな素養に加えて、体力の衰えや、仕事のストレスなどが重なって、再びドラッグに手を伸ばしてしまうのではないでしょうか」 ◆若き日の青春よ再び……体の衰えはシャブでカバー!? 中年「全部失いましたね。遊びが過ぎたというには痛すぎました」  と意気消沈するのは現在、覚せい剤の所持及び使用で逮捕され、執行猶予中の身である48歳の今宮茂明さん(仮名)だ。 「初めてシャブをやったのは、大学生の頃。当時はバンドブームでセックス、ドラッグ、ロックンロールみたいなノリで、シャブをキメてライブだ! みたいな感じで、ムチャしてました」  時代は狂乱のバブル時代。乱れた学生時代をすごしていても、有名大学出身ということで引く手あまた。今宮さんは広告代理店にあっさり就職を果たした。就職してからはドラッグを一切ヤメていた今宮さんが再び覚せい剤に手を出したのは一昨年のこと。 「体の無理が利かなくなったんです。夜中まで仕事もできなくなってきて、妻とのセックスも勃ちが悪くて楽しむどころか苦痛に……」  さまざまなサプリメントを試したが効果はサッパリ。そんな話を昔のバンド仲間に話したところ、帰りがけにバンド仲間から覚せい剤を渡されたという。 「20年以上ぶりにキメたときは、もう、すごかったですね(笑)」  その後はセックスなど“ここぞ”というときに覚せい剤を常用するようになった今宮さんだったが、職質がきっかけであっさり御用。会社も首になり妻とは離婚するハメに。  現在は知り合いの会社で働きながら、離婚した妻や家族に日々懺悔の日々をすごす今宮さん。その代償はあまりにも大きかった。  このように、40歳以上のおっさんの間で覚せい剤がいかに忍び寄っているのか? 週刊SPA!6月17日発売号「ASKAだけじゃない![シャブ中おっさん]大集合」では、ユーザーからプッシャーまで、いい年こいてシャブにハマった困った不良中年たちがその体験談を懺悔とともに告白。中高年の薬物乱用の背景を探っている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
週刊SPA!6/24号(6/17発売)

表紙の人/二宮和也

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