西洋人から見たら「ご飯=主食」は理解不能!?
―[[許せない食べ方]大研究]―
白飯、カレー、ラーメン、寿司、焼き肉……日常の食事で人は他人の食べ方のどこが、何が「許せない」のか? 時に根本的な人間評価に発展してしまうほど、譲れない大問題であったりもする「食べ方」問題を探ってみた
◆西洋人が感心する日本食は子供が喜ぶ料理だった!?
地域が違うだけでも「信じられない!」と驚くような食習慣は数多く存在するが、では国が違う場合は……? というわけで、ロンドン在住の「めいろま」こと谷本真由美氏に、ヨーロッパの人々がショックを受ける、日本の食習慣について聞いてみた。
「日本人はご飯を口の中に含んでから、濃いめに味付けされたおかずも口の中に運んで……という食べ方をしますが、こちらの人々はそのような食べ方をしません。だからご飯とおかずが別々に盛られた日本食を出すと、ご飯はご飯だけで食べて『味が薄い!』と驚いたり、おかずはおかずだけで食べて『何でこんなに塩辛いんだ!』と怒ったりするんですよ」
また西洋の人々にはご飯=主食という考え自体が存在しないそうだ。
「ご飯などの炭水化物を多めに食べてお腹をいっぱいにする日本人とは逆に、ヨーロッパの人たちは肉や魚、野菜などを多く摂ります。だから日本の焼き魚定食を見ると、『何で白米の量がこんなに多くて魚がこんなに小さいんだ!』と怒る人もいますね。日本人からすると、300gくらいのサーモンを一度に食べるこちらの人が信じられないんですが……(笑)」
このように食習慣が根本の部分から違うこともあり、本格的な日本食は苦手な人が多いとのこと。
「たとえば肉じゃがを出すと『肉が全然入ってないじゃないか!』『何で味付けが甘いんだ!』と怒る人が多いです。日本の料理には砂糖で甘みをつけるものが多いですが、それも彼らには信じられないみたいです。しょうゆを使った煮物や、酸味の強い酢の物なども不評ですね。だから『何か日本の料理を食べたい』と言われたら、から揚げ、カレー、ハンバーグなど、日本の子供が喜ぶような料理を出すといいでしょう。誰でも『おいしい!』と喜びますから。グラタンやクリームコロッケのような西洋起源の料理も、日本で食べる習慣があることはあまり知られていないので、日本人が作ると感心しながら喜んで食べてくれますよ」
【谷本真由美氏】
国連専門機関情報通信官等を経て情報通信コンサルタント、著述家に。ロンドン在住。Twitterは@May_Roma(めいろま)。近著に『世界中で食べてみた危険な食事』
― [許せない食べ方]大研究【7】 ―
『世界中で食べてみた危険な食事』 中国式バケツに盛られた刺身、台湾名物・肉アイス、英国紅茶に添えられた宇宙人色のゼリー…。 |
この特集の前回記事
ハッシュタグ