iPhone6、3キャリアの勝敗をわけるのは「通信規格」
今年もiPhone新製品発売のシーズンがやってきた。リーク情報も出尽くした感があるが、その実現確率とは? 専門家に聞いた!
◆ワイヤレスチャージ<実現確率10%>
スマホ本体やモバイルバッテリーなど、ワイヤレス充電に対応した製品は続々登場している。
「充電スピードが遅いことなどが不評だったために、現行のAndroidスマホでは、対応製品がやや減少しています。しかし、規格が整備されて少し改善され、今後の普及が楽しみな状態ですね」(モバイル評論家・法林岳之氏。以下同)
Androidですら一部の機種のみ対応している技術ということだが、6での採用確率は?
「アップル非認証の充電機器を利用した過熱・火災トラブルなどが起きているので、対応したほうがよいと思っていますが、採用確率は低いです」
◆国内3キャリアで差が出る!通信対応に注目!
●TD-LTE<実現確率90%>
●キャリアアグリゲーション<実現確率90%>
●VoLTE<実現確率70%>
’13年9月、iPhone5sがドコモから発売され、3キャリアによる通信品質の差が注目されるようになってきた。各キャリアが提供する通信規格や対応周波数帯域と、端末側の対応状況により差が出るのだ。
「5sの日本モデルは、ソフトバンクの高速通信技術TD-LTEの周波数帯域に非対応です。6で対応すれば、ソフトバンクにとっては追い風となるでしょう」
5s発売時に不利となったソフトバンクが今回は優位なスタートを切れるか注目だ。また、ドコモとauが先行提供しているサービスへの対応にも注目だ。
「auは異なる周波数帯を束ねて通信の高速化・安定化を図るキャリアアグリゲーションを、ドコモは高音質通話のVoLTEを提供しています。これらの先行サービスの対応状況によって、販売の初速に差が出るかもしれません」
これらの先端技術を、最新端末でいち早く体感したいという人は、どのキャリアが最も快適な通信を行えるのか、注目だ。
◆その他の「ウワサ」は?
●カメラ<実現確率90%>
「iOS8でも写真関連の新機能が発表されていましたが、カメラ性能自体もほぼ確実にアップします。セルフィー(自画撮り)が世界的に流行しているので、インカメラ300万画素もあり得ます」
●サファイアガラス<実現確率60%>
「高級腕時計などでも使われているガラスで、視認性がよく傷がつきにくいことが特徴です。表面ガラスを割る人も多いので、クオリティを高めるという意味では、採用してもおかしくないです」
●Wi-Fi(WPS)<実現確率10%>
「ワンタッチでWi-Fi接続を可能にするWPSが、iPhoneは使えません。AndroidスマホやWindowsPCでは当たり前の共通規格ですが、アップル製品には方針的に今後も採用可能性は薄そうです」
●MicroUSB<実現確率1%>
「2014年3月に欧州議会で充電ケーブルをMicro USBに統一する議案が可決されました。2017年春には義務化の見通しですが、アップルは対応するとしても変換コネクタの同梱対応になるのでは」
【法林岳之氏】
モバイル評論家。デジタル関連製品の解説記事を中心に執筆。インプレス「できる」シリーズからスマートフォン関連著書多数
取材・文/林 健太
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