10月第1週110円なのか、その「死角」とは?
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9月に入ってからドル高・円安が止まらなくなってきました。そこで今回は、この動きがさらに続くのか、止まるならそのカギを握っているのは何かといったことについて考えてみたいと思います。
◆セプテンバー・サプライズはあるか!?
それにしても最近のドル高・円安が加速する展開は、昨年の年末年始に、約一か月半で一気に100円から105円までドル高・円安が加速したパターンに似ているとして、マーケットの一部でも注目されています。「1か月半5円のドル急騰劇」、同じパターンが繰り返されるなら、10月には110円前後のドル高・円安になる計算になります。
昨年もドル/円は、夏から秋にかけて数か月95-100円中心の小動きが続きました。しかし11月後半に入り、それまでの高値となっていた100円程度の水準を大きく抜け出すと、一気に年明けにかけて約一か月半で105円まで約5円のドル高・円安になりました。
さて、これまで8月下旬にこの数か月のドル高値だった104円を超えてドル高・円安が加速している動きが、その昨年の年末・年始の動きに似ているとして、マーケットの一部でも注目されています。この似た動きがこのまま続くなら、ドル高・円安は10月に110円前後まで続く見通しになるのですが、果たしてどうでしょうか。
昨年の年末年始にドル高・円安が加速する前、私は米株の下落に注目しました。米株には、11月の感謝祭までに年内の最後の下落が起こる「アノマリー」があったからでしたが、昨年はそれが「不発」になるなか、ドル高・円安は一気に年明けまで駆け上がったのです。
では、これから10月にかけて、米株は急落リスクを回避できるでしょうか。最近のドル高・円安の加速は、米利上げ開始が接近する中で米金利上昇が再燃していることが主因とされます。ただその一方で、そんな米金利上昇を嫌気する形で株や新興国通貨などリスク資産の下落も目立ってきました。
9月は、2008年にリーマンショックが起こるなど、アノマリーとしては「セプテンバー・サプライズ」があります。また10月は、1987年ブラックマンテーに代表される「暗黒の10月」。ドル高・円安が昨年末のアナロジーを繰り返すことになるかの一つのカギは、米株が9、10月のアノマリーを凌げるかということではないでしょうか。(了)
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に
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