1回1500円で危険ドラッグの人体実験を引き受ける人々
今年は4月、12月の二度の薬事法改正施行と例年になく危険ドラッグ規制が強化されるなか、ドラッグ業者の抵抗もさらに執拗になっている。そのもくろみをSPA!が先行暴露する
◆危険ドラッグの治験は人体実験で行われる
一般的に、危険ドラッグ製造・流通過程は“闇の薬剤師”と呼ばれる存在がドラッグの組成を新たに考案し、出来上がったサンプルを中国の製造業者に送って製品化、日本へ輸入するのが一連の流れである。そこで今回、判明したのが製造段階にてドラッグの効能を“治験”する「(人間)モルモット」と呼ばれる役割がいることだ。
そうした「人体実験」の経験者に話を聞くことができた。
「人間が楽しむものですからね。人体実験はある意味、当たり前だとは思います。今まで散々、“試し”でやらされてきたけど、何時間も動けなくなり、奇声を発していた。心臓がバクバクして死にかけたこともザラにありました。当時は好きでやっていたので平気でしたが、最後のほうはさすがに体がついていかなくなり、逃げ出すように“会社”を辞めた」(卸売業者元社員)
治験はドラッグ業者の下っ端だけでなく、ドラッグ愛好者に無作為に依頼される。
「でも、一回の報酬はたったの1500円前後。万が一危険に陥った場合を考えると、あまりに金額と見合わない。でも中毒になるとそういうことは考えなくなります。感覚がおかしくなるんでしょうね」
当然、この事態を警察や厚労省が黙って見ているはずもない。警察担当の某記者は話す。
「少なくとも私の関係筋は11月中旬時点で把握していなかったみたいです。再度聞くと、逮捕事例はまだないが、警ら隊の中には気づいている人もいるようです」
薬事法改正を重ねても、こうした卸売業者を根絶し、成分と販売形状ともに規制しない限り、イタチごっこに終止符が打たれることはないかもしれない。
取材・文/ジョイナー大和
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