アイホップ、牛丼太郎…「消えた飲食チェーン」は青春の思い出
今やどこの繁華街に行っても立ち並ぶのはチェーン店ばかり。味のある個人店は、どんどん姿を消している。が、消えているのは個人店に限らない。かつては隆盛を誇ったチェーン店でも、熾烈な外食産業の競争の波に揉まれて看板をおろしている。『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』の著者・村瀬秀信氏に聞いた。
「なくなったチェーン店といえば、まずはすかいらーく。すかいらーくグループは今も健在ですが、店舗としては存在しない。日本生まれの正統派ファミリーレストランとして、かつては子供の憧れだったのですが……」
今では看板をすべてガストなどのグループ店に掛け替えて、姿を消した。続いては、アメリカ系のチェーン店。
「バーガーキング(※現在は復活済み)、アイホップなど、日本に上陸するも撤退を余儀なくされたチェーン店はたくさんあります。個人的には、子供の頃近所にあったフジスーパーに入っていたデイリークイーンが懐かしいですね。ソフトクリームのお店で、僕の地元ではミニストップができる前は、みんなあの店でソフトクリームと出合って育ったんです」
デイリークイーンは’76年に松屋銀座店を1号店として上陸しており、意外と古い歴史を持つ。
「スターバックス1号店も松屋。つまり、デイリークイーンはスターバックスになり損ねた存在といえるかもしれません(笑)」
最後に、これまた村瀬氏思い出の、消えたチェーン店を。
「牛丼太郎です。とにかく安くてね。牛丼屋なのに納豆とご飯だけ食べたりしてました。確か150円くらいでね。それがあるから、たまの牛丼がめちゃくちゃうまく感じるんですよ。たとえチェーン店でも、そういう思い出はありますからね。消えてしまうのは寂しいですね」
ちなみに牛丼太郎は代々木店と茗荷谷店の2店舗のみ どんぶり太郎として営業中。消えたチェーン店の残滓を探しに行ってみては?
【村瀬秀信氏】
ライター。野球を中心に幅広く執筆。著書に『4522敗の記憶』、チェーン店への偏愛を綴った『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など
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