【薄毛治療の真実】市販の薬に効果は無い!? 副作用でEDにはならない!?
成人男性の約3人に1人が悩んでいるというAGA(男性型脱毛症)。巷の薬局には様々な育毛剤が並べられているが、使用してみないことには効果はわからない上、試し買いを続けていると費用もバカにならない。では実際、何が一番薄毛に効果的なのか。
これまで7000人以上のAGA患者を診察してきた東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男院長に、薄毛治療に関する質問をぶつけてみた。
◆市販の薬に効果は無い!?
実は日本皮膚科学会が公表している『男性型脱毛症診療ガイドライン』には、AGAに強く勧められれる「推奨度A」の治療薬が2つ記載されている。一つがCMでもお馴染みのリアップなのだが、市販されている他の育毛剤には効き目はないのだろうか。
なぜグリーン車にはハゲが多いのか』(幻冬舎)『医療的育毛革命』(講談社)などがある。
「そうした大衆薬には、育毛に有効な生薬などの成分が入っていますが、認められたのがかなり昔のことなんです。さらには人間への臨床実験無しに認められてしまったため、実際効果のほどははっきりしていません。私からすると、髪の毛は復活しないという見方です」(佐藤院長)
そして、もう一つ効果的なのが佐藤院長が勧める飲み薬「プロペシア」だ。
「プロペシアに含まれている有効成分・フィナステリドには、善玉の男性ホルモンであるテストステロンが、悪玉男性ホルモンであるDHTに変換されるのを防ぐ働きがあります。一般的に改善が見られるのが半年と言われていますが、当院では写真による記録を基本診療としているため、飲み始めて3ヶ月もすれば効果のほどが実感できるのではないでしょうか」(同氏)
より早くフサフサにしたいがために、プロペシア以外の飲み薬をネットで購入、服用するというツワモノもいるようだ。
「よく聞くのが、リアップに含まれている有効成分・ミノキシジルの錠剤を服用している人ですね。頭皮に塗布して効果が出るなら、飲んだほうがより良いだろうということで、オーストラリアで誕生した薬なのですが、薄毛治療に有効だと書かれた論文が全くないんです。さらには強い副作用があり、正常な毛を太くしてしまう多毛症や不整脈を引き起こすおそれがあるので、オススメしていません」(同氏)
◆EDの副作用は「思い込み」
プロペシアにも一定の確率で副作用は認められているが、男性にとって特に気になるのがED(勃起不全)。毛髪に元気が出ても、アソコの元気がなくなってしまっては悲しいの一言だが、副作用はあるのだろうか。
「EDになる人も数%いることは事実なんですが、実はそのほとんどがプラシーボ(思い込み)なんです。服用を始める前に“そういう副作用がある”という思い込みで身構えてしまい、EDを引き起こしてしまうようです。また、4~50と年齢的にも下半身の機能が低下する時期と、服用を始めた時期が重なって自然に起きていることが薬の副作用として報告されるのも、割合を高くしている要因ですね」(同氏)
どうしても心配な人は服用を止めれば回復するとのこと。さらに気になるのは値段の方だ。
「自由診療薬なので病院によって値段は様々ですが、当院では1錠250円、ひと月に換算すると7500円と他の医院より安く処方しています」(同氏)
こちらも心配することはなく、タバコを毎日一箱買うより安く済むお手頃さだ。最後に、薄毛を進行させないためにすべきことを聞いた。
「それは患者さんにもよく聞かれるのですが、結局は遺伝なので、どんな予防をしても薄毛になる人はなります。ただ、頭皮を活性化させるために強い刺激を与えるといった不適切なことをすると、かえって進行が早まってしまうので、早い段階から専門医の診察を受けるのが改善への近道だと思います」(同氏)
早期発見、早期治療が同じなのは他の病気と同じこと。薄毛を本気で治したいと考えるなら、AGA治療を相談できる病院へ直ちに駆け込もう。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
【佐藤明男氏】
東京メモリアルクリニック・平山院長。これまで7,000人を超えるAGA患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。著書に『
『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』 自らも薄毛に悩む医師が推奨するポジティブ・ヘア・ライフ |
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