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脱サラして『レンタル男の娘』を始めた“めかつちゃん”に聞く「男が女装して可愛くなるコツ」

 ひと昔前まで女装はオカマの専売特許で、ギャグマンガなどフィクション作品でも女装キャラはイロモノ的な扱いを受けるのが常だった。しかし、近年はコスプレの一種として、軽い感覚で女装をする“普通の若者”が東京を中心に増えているという。2014年には「女装子」が新語・流行語大賞にノミネートもした。いまや女装は一部のマニアの中だけで楽しむものではなく、気軽に楽しむ時代なのかもしれない。 めかつちゃん とはいえ、多くの男性にとって、女装はまだまだとっつきにくい…。そこで今回は女装アイドルユニット「最先端ガールズ」の一員であり、脱サラ後は「男の娘」のレンタルサービスも行っている“めかつちゃん”にインタビューを敢行。  一般男性が女装して可愛くなるためのコツとは? そしてレンタル男の娘を始めた理由とは? 彼女に語ってもらった。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=986476 ――めかつちゃんが女装にハマったきっかけはなんでしょうか? めかつちゃん 私はバンド活動をしているんですが、ある時女装して演奏したのが最初でした。その時はそれほど本格的な女装ではなかったのですが、女装後のギャップに対する周りの反応がよくて味を占めてしまい。それからはもっと本格的に、もっと可愛くなりたいと。そのままズブズブとハマっていき、女装歴はかれこれ5年になります。 ――本格的に女装しようと思うと、予算は最初どれくらいかかるものなのでしょう?  化粧品だけで1~2万は用意してもらいたいですね。それだけあれば必要なメイク用品は一通り揃えられます。顔って多くの人が思っているほどには、男女で違いはないと思うんです。ヒゲ剃って、眉毛整えて、ウィッグを被って、上手にメイクすれば女性らしくなりますよ。  最初は顔だけtwitterとかに自撮り画像をアップして、周りから反応がおもしろくて女装に目覚める、という人も多いようです。それだけでは物足りなくなると、体型や仕草を女性らしくすることに挑戦し始めるんですよ。 ――めかつちゃんはなで肩で体型も非常に女性的ですよね! それは意識してある程度カバーできるものなのでしょうか? オススメの服装とかありますか? めかつちゃん 私は162センチと小柄で体型的に恵まれているのですが、レディースのMとかLなら普通に着られます。最初はネットで買っていたんですけど、今はもう女装した状態でお店に行ってしまいますね。私はナチュラル系の女装を目指しているのもあって「earth music&ecology」をよく利用します。一着目にオススメの服は体型を隠しやすいフワッとしたワンピースです。  体型によって女装に向き・不向きがあるのも事実ですが、むしろ重要なのは歩き方・立ち方といった振る舞いだと思っています。肩を張ってガニ股で歩けば、いくらメイクしても体型が女性的でも台無しですから。  普通、男性は肩を大きく動かしながら歩きますが、女性は腰を動かす“腰歩き”がポイントです。これがけっこう難しいのですが、肩を動かさないように気をつけるだけでもかなり違いますよ。あと女装をしている時は立っていても座っていても、足は軽く内向き気味になるよう意識しています。 ――ディティールまで女性っぽくなったら、やっぱり誰かに見てもらいたくなると思うんですけど、女装子・男の娘はどこで遊んでいるのでしょうか?  新宿の「女の子クラブ」、秋葉原だと男の娘カフェ&バー「NEW TYPE」ですね。「女の子クラブ」はスタッフの方がエスコートしてくれるので、知識がなくても気軽に女装できます。イベントだと「プロパガンダ」(毎月最終土曜開催)が有名です。  女装で人前に出る上で一番大切なのは、自分の女装を過信しないことだと私は思っています。SNSで自撮り画像をアップすれば、周りは持て囃してくれても、女装した自分が、実際の女性とどれだけかけ離れているかは常に意識しないといけません。  私は女装している時こそ、自分が男であることを強く意識しています。上手な女装ではなく、あくまで本物の女性を目指しているんです。そうすれば隠すべきところも自ずと見えてきて、結果的により女性らしくなれるのではないかと。例えば、手はどうしても性差が出てしまうので、袖の長い服などでなるべく隠しています。 ――自身が女装するだけではなく、レンタルを始めたのはなぜでしょう? 女装して街に出ることや身バレなど、抵抗はなかったですか?  初めての女装がバンド活動だったこともあり、女装した状態で大勢の人の目に触れたり、外に出る抵抗はそれほどなかったです。女装のことも私はオープンにしていて家族も知っています。女装して彼女とデートしたことも。 「レンタル男の娘」のサービスを始めたのは、友人に「女装でもっとおもしろいことができるんじゃない?」と言われたのがきっかけです。女装子にどんな需要があるのか考えたんですけど、そのリサーチも含めてのサービスですね。お客さんに男の娘にしてほしいことの中身を託すことにしたんです。  もちろん他のレンタルサービスの存在も大きいです。「おっさんレンタル」があるなら男の娘でもやってみようと。 ――お客さんや依頼内容はどんなものが多いですか?  客層は男女半々くらいで、年齢も様々です。男性のお客さんは女装の相談をされる方や、カメコさんで撮影の練習モデルとして男の娘を利用したいという方が多いですね。きっと実際の女の子をモデルにするよりも気楽に練習できるんだと思います。  女性の方だと一緒にショッピングやプリクラを撮ったりすることが多いですね。あと、男ウケのいい服とか相談される方もいます。まだまだ始めたばかりですが、これからも色んな人に気軽に自由に利用してもらえたらと思っています。  いまや御意見番的なオネエタレントをテレビで見ない日はないが、男の娘もそんなオネエタレントのように、男女ともに気兼ねせずに話しやすい、良き相談相手なのかもしれない。  勇気を出して女装の世界に一歩踏み出せば、エキセントリックで刺激的な世界が待っている!? <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/長谷英史> ●めかつちゃんのTwitter(@mekatyu0328) ●ウェブサイト(http://rental-otokonoko.blog.jp/
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