世界文化遺産から読み解く世界史【第46回:ヨーロッパ文化への憧れ――サンクト・ペテルブルクとエルミタージュ美術館】
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エルミタージュ美術館(大使の階段)
女帝エカテリーナ2世の皇居だったエルミタージュ美術館
サンクト・ペテルブルク(ペテルブルク・ペトログラード)という町は、1712年にピョートル大帝によってつくられました。 スウェーデンとの北方戦争(1700~1721年)の際、ペトロハブロフスク要塞をつくり始めたのと同時に、ここに新都をつくることを構想したのです。 モスクワからは600キロメートルも離れた寒村でしたが、そこはバルト海に面していて、ヨーロッパにも通じていました。ヨーロッパ文化への強い憧れを持っていた大帝の熱望がこの新しい都をつくったのです。 1721年、北方戦争勝利の年に完成したピョートル宮殿は、ヴェルサイユ宮殿を模した壮大な建物でした。 ピョートル大帝の孫のピョートル3世と結婚し、1762年に即位したのが、女帝エカテリーナ2世でした。このエカテリーナ2世が、このピョートル宮殿(冬宮)に入り、皇居としました。これが、現在のエルミタージュ美術館です。 (出典/田中英道著『世界文化遺産から読み解く世界史』育鵬社) 【田中英道(たなか・ひでみち)】 東北大学名誉教授。日本国史学会代表。 著書に新刊『日本国史――世界最古の国の新しい物語』のほか『日本の歴史 本当は何がすごいのか』『[増補]日本の文化 本当は何がすごいのか』『[増補]世界史の中の日本 本当は何がすごいのか』『日本史5つの法則』『日本の戦争 何が真実なのか』『聖徳太子 本当は何がすごいのか』『日本文化のすごさがわかる日本の美仏50選』『葛飾北斎 本当は何がすごいのか』など多数。
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