英語で日本を貶めている朝日新聞の大罪(その2)

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朝日新聞社からの回答


 今回も前回に引き続き、朝日新聞英語版の「慰安婦」報道をめぐる問題を扱う。

 『日本よ、情報戦はこう戦え!』(育鵬社)を刊行したAJCN Inc.代表・山岡鉄秀氏とケント・ギルバート氏が、朝日新聞英語版の偏向報道に対し、朝日新聞社側に改善等の申し入れ書を手渡したことは、前回(その1で)伝えたとおりである。

 それに対する、朝日新聞社からの回答があった。


 2018年7月23日

 朝日新聞英語版の「慰安婦」印象操作中止を求める有志の会
 ケント ギルバート 殿
 山岡 鉄秀 殿

 株式会社朝日新聞社
 広報部長 後田 竜衛

 冠省
 7月6日、弊社社長に対し「朝日新聞英語版の『慰安婦』印象操作中止を求める有志の会」として提出された申し入れに対して、ご回答申し上げます。

 1.(「物理的な強制で性行為を強いられた」という印象を受けるforced to provide sexという表現を使用しないこと)について

 記事を書く際は事実関係を十分に調べたうえで、ふさわしい表現を選ぶよう心がけています。記事でどんな表現を使うかについては、個々の状況や文脈に応じてその都度、判断してまいりたいと考えています。

 今回ご指摘の英語表現に似た「forced to provide sexual services」という表現は、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)のサイト「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」の英語版ページ(http://www.awf.or.jp/e1/facts-00.html)の冒頭で使われています。日本語版のページでは「いわゆる『従軍慰安婦』とは、かっての戦争の時代に、一定期間日本軍の慰安所等に集められ、将兵に性的な奉仕を強いられた女性たちのことです」と定義されています。(http://www.awf.or.jp/1/facts-00.html)

 アジア女性基金は1995年に村山内閣主導で発足し、国民からの募金と政府からの資金拠出により元慰安婦への「償い事業」を実施。外務省ホームページの「歴史問題Q&A」のページでも、アジア女性基金の活動が紹介されています。
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/index.html)

 1993年8月4日に発表された河野官房長官談話では、「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」と記されています。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/kono.html)

 菅義偉官房長官は2014年6月20日の記者会見で「河野談話作成過程に関する検証作業」について述べた際、「河野談話を見直さない、平成19年に閣議決定した政府答弁書であるとおり、これを継承するという政府の立場はなんら変わりはありません」と発言しています。(https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201406/20_p.html)

 慰安所の生活で「強制的な状況」があったとする記述を含む河野談話の内容は、現在の安倍政権まで日本政府が継承してきた立場といえます。朝日新聞が慰安婦問題を報じる際は、こうした日本政府の立場も踏まえつつ、今後もさまざまな立場からの視点や意見に耳を傾け、多角的な報道をめざしていく所存です。

 2.(吉田証言が虚偽であり、記事を撤回した事実を改めて英文で告知すること)について

 朝日新聞が吉田清治氏の証言を虚偽と判断して記事を取り消したことについて、新聞紙面では2014年8月5日付朝刊の特集記事で伝えました。「朝日新聞デジタル」では現在も、下記のURLで紙面を掲示しています。
(http://www.asahi.com/shimbun/3rd/2014080516.pdf)

 英語版の紙面は現在発行していませんが、2014年8月5日付記事の英訳版は「朝日新聞デジタル」で2014年8月22日に掲載し、現在も下記のURLで全文閲覧できます。(https://www.asahi.com/articles/SDI201408213563.html)

 また、「朝日新聞による慰安婦報道を検証する第三者委員会報告書」の要約版の英訳文を、国連本部、同広報センター、米国議会、在日米国大使館、韓国大使館、米国グレンデール市などに送付しています。

 3.(forced to provide sexが軍隊による物理的強制連行や性奴隷化を意味しないと主張するなら、具体的にこの表現が何を意味するのか明確に説明すること)について

 慰安婦とされた女性の訴えは人によって、あるいは時期や場所、戦況によって大きなばらつきがあり、個々の状況全体を総合して具体的に説明するのは困難です。「1について」の回答で紹介した「河野談話」で「強制的な状況」への言及があり、また「アジア女性基金」サイトの説明で「性的な奉仕を強いられた」との説明がありました。また中国や東南アジアなど、戦時中に日本の占領下にあった地域で、日本軍の一部部隊が現地女性などを強制的に連行し、慰安婦にしたことを示す供述や調査結果が、戦犯裁判記録や連合国側の政府調査報告などで明らかになっていることも踏まえています。

 また、「forced to provide sex」という表現について、英語ネイティブスピーカーが読めば、「軍隊による物理的な強制で性行為を強いられた」という印象を受けると指摘されていますが、当該表現は「意に反して性行為をさせられた」という意味です。

 4.(今後慰安婦の説明的表現を追加するなら、comfort women who worked in brothels regulated by the military authoritiesなどの表現を使用すること)について

 記事を書くたびに、国内外のさまざまな立場の意見や歴史研究の蓄積なども考慮しながら、人権に配慮し、個々の状況や文脈に応じて、その都度ふさわしい表現を使うよう努めてまいりたいと考えています。

 以上から、英語表現に関する申し入れに応じることはできません。

 
 以上の文面から、朝日新聞社側の回答は、「申し入れ書」を手渡した山岡氏らの期待に応えるものではなかったことがわかるであろう。
 だが、回答2の文面が、後々、大きな意味をもつことになったのである。

 (文責/育鵬社編集部)




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