NHKに巣食う〝確信犯〟たちに和田政宗氏「もうNHKはメディアとして死んでいる」

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 平成最後、73回目の終戦の日を迎えた今年の8月も、NHKスペシャルは例によって「戦争と平和」について考えるドキュメンタリー番組を放映した。今年のラインナップは以下の通り。

11日「祖父が見た戦場~ルソン島の戦い 20万人の最期~」
12日「“駅の子”の闘い~語り始めた戦争孤児~」
13日「船乗りたちの戦争~海に消えた6万人の命~」
15日「ノモンハン 責任なき戦い」
19日「届かなかった手紙 時をこえた郵便配達」

 元NHKアナウンサーの自民党参議院議員の和田政宗氏は8月11日夜のツイッターで、「もうNHKはメディアとして死んでいるというのが、昨年からの第二次大戦に関するNHKスペシャルの流れ。独自の検証もせずソ連側の主張や米軍の『戦犯』裁判の資料を一方的に肯定。もう私もNHKは擁護しない。NHKは何にも左右されず事実に基づく報道を行うとしての受信料徴収の根拠を失っているのではないか」と指摘。

 そんな和田氏が、日本を代表する新聞やテレビなど大手メディアの問題について鋭く切り込んだ『「嘘の新聞」と「煽るテレビ」』が、発売以来、好評だ。その中からNHKスペシャルについて論じた文章を紹介しよう。



NHKスペシャル『スクープドキュメント 沖縄と核』


 昨年9月10日のNHKスペシャルでは『スクープドキュメント 沖縄と核』という番組が放映され、反響を呼びました。

 番組放映直後の琉球新報の取材に対し、ディレクターの今理織氏は、「米国の核の傘下にある日本は『核は必要だが置くのは嫌』だった。『米軍基地は必要だが、身近にあるのは嫌だ』という今の発想と重なる」(9月19日)と答えています。米軍は当初、本土にも核を置きたかったが反対運動が強く、日本政府も拒否したため、当時米施政権下だった沖縄に核が集中していったという。

 だが、その見方は、現在の基地問題に結び付けたいための、こじつけとしか思えません。この番組には、なぜ米軍が沖縄に核を配備しようとしたのかという対外的要因が軽視されているからです。1950年から始まった朝鮮戦争は、北朝鮮・中国・旧ソ連という共産主義国家との戦いでした。朝鮮戦争は1953年に休戦以来、今もまだ終結していません。

 一時、朝鮮半島の最南端まで追い込まれた米軍にとって、特に当時の共産主義に対する危機感は、今とは比べ物にならないくらいだったでしょう。米軍が当時統治していた沖縄を対共産主義の最前線の拠点の一つに選んだのは、軍事上必然であり、それはひいては当時の日本の安全保障にも資するものでした。

 そして現在、日本の軍事的脅威は、中国です。尖閣諸島海域では、中国の公船が頻繁に領海侵犯を繰り返し、我が国土を脅かすとともに、漁業で生計を立てている沖縄県民たちは、操業がしにくくなり困っているのが実情です。国土と国民生活を守るためにも、沖縄には相応の軍備は必要であり、自衛隊の増強に限りがあるなか、米軍基地の重要性はいまだ高いのです。

 ところで、「沖縄に国内の米軍基地の7割が集中し」とよく言われますが、これは正確ではありません。沖縄には国内の米軍の専用施設の約74%が存在しますが、米軍基地は青森県、東京都、神奈川県、山口県にもあり、自衛隊の共用施設も含めた場合には、沖縄の基地は全国の約23%になります。

 いずれにせよ、「沖縄に米軍基地が多くある背景に、核問題があった」というのは、極めて一面的な見方であると言えるでしょう。

 ですが、特に左派界隈ではこの番組の反響は大きかったらしく、今氏はこの放送の少し前には沖縄放送局を離れ、NHK放送センター制作局に異動していましたが、11月には「本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会」(代表・里村和歌子)主催のシンポジウム「沖縄と核」で講演、12月には「東京法律事務所9条の会総会」で、共同通信編集委員・論説委員の太田昌克氏とともに講演、翌平成30年1月には「放送を語る会」主催の「第59回放送フォーラム」で講演と、引っ張りだこだったようです。

 ですが、彼の行動はコンプライアンス上は問題ないのでしょうか。NHKの職員は公共放送の職員であるので、不偏不党の原則があります。ですので、特定の政治的思想を持つ団体で、NHKの職員であることを名乗り、活動することは、厳に慎むべきとされています。

 また、今氏は、暴力的活動で知られる「しばき隊」の一員なのではないかというネット上の指摘もあります。事実かどうかを含め、今氏の行動はコンプライアンス上問題ないか、検証される必要があるのではないでしょうか。

NHKに巣食っていた〝確信犯〟たち


 ちなみに、今氏を講演に招いた主催団体の一つ「放送を語る会」というのは、NHKの元職員有志らが設立した団体です。代表の今井潤氏は元NHKの報道番組の映像編集者で、事務局長の小滝一志氏も元NHKのプロデューサーです。運営委員の戸崎賢二氏も元NHKディレクターで、日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』に度々寄稿したり、インタビューに答えたりしています。

 彼らは、安倍政権寄りと批判されていた籾井勝人前会長の即時解任を求めたり、受信料義務化反対や、集団的自衛権、秘密保護法、TPP、反原発、オスプレイなどのテーマについて、NHKがどのように報道したかを批判的に検証したりしています。

 特に、平成13(2001)年に起きたNHKのノンフィクション番組、ETV2001『シリーズ「戦争をどう裁くか」第2回 問われる戦時性暴力』をめぐる騒動に対する取り組みは、語る会の活動の重要な柱となっています。

<文/育鵬社編集部>

【和田政宗】
1974年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年アナウンサーとしてNHKに入局。新潟、帯広、大阪局を経て仙台局に勤務、東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年参議院議員選挙に出馬、宮城県選挙区で初当選。現在、自民党広報副本部長を務める。著書に『報道特注(本)』(共著、育鵬社)などがある。2018年7月28日、話題の新刊『「嘘の新聞」と「煽るテレビ」』を上梓。

「嘘の新聞」と「煽るテレビ」

ネットで「嘘の新聞」と検索すると「朝日新聞?」と出ることが話題になった。 NHKもネット上でN(捏造)H(反日)K(協会)と呼ばれている。 加計・森友学園問題は、図らずもメディアの偏向報道を国民に広く知らしめることになった。 だが、なぜ偏向報道が生まれるのか? 誰がやっているのか? 元NHKアナウンサーとして異彩を放つ注目の若手国会議員が、日常に潜む、新聞、テレビ、ネットから流される偏向報道・偏向番組を徹底検証し、業界に巣食う“確信犯”の存在を明らかにする。





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