勝つための情報学…③韓国との情報戦
韓国軍のレーダー照射は「情報戦」
韓国海軍が日本の海上自衛隊の哨戒機に向けてレーダーを照射した問題は、日本と韓国の主張の応酬となり、まったく着地点が見いだせないままだ。 一触即発の事態もありうる危険な行為を「同盟国」に対して行ったことが偶発的から故意なのか、つまり事実か否かが問題なのだ。 しかし、事実関係を認めないことから始まって二転三転する韓国の反応は、日本に対する「情報戦」の様相を呈してきたとも考えられる。 慰安婦問題では、30年近くにわたって、まったく「情報戦」を闘おうとしなかった日本政府、とりわけ外務省の不作為というものが、どれほど日本人、および日本国の名誉を傷つけてきたか。諜報が時代をつくった戦国の世
しかしながら、歴史を溯れば、戦国時代から江戸・徳川時代にかけての日本では「情報=インテリジェンス(諜報)」が武士の間で用いられ、その伝統は大東亜戦争まで続いていたと評論家の宮崎正弘氏は分析する。(以下、宮崎正弘メルマガより引用) 「孫子を愛読したのは武田信玄だった。『風林火山』は孫子が原典であることは周知の事実だろう。諜報、謀略の行使に関して言えば、織田信長に卓抜なる才能があった」 「今川を、様々な事前工作と諜報、フェイクニュースなどで騙し、隘路となっている桶狭間に、まんまとおびき寄せた。これは信長の『幸運』とか『乾坤一擲の勝負』とかの英雄物語りではなく、そのインテリジェンスの側面をみる必要がある」 「信長の遣り方を横で見ていた秀吉はフェイクニュースと嘘物語りをでっち上げる天才、いまの中国の諜報機関でも舌を巻くほどの謀略家だったが、このダークサイドは『太閤記』などが消し去った」「情報」で戦えなくなった
日本は戦時中も「諜報」は重視したのだと宮崎氏は説く(前述のメルマガより)。 「日本は戦時中に『陸軍中野学校』を設立し、情報、諜報、謀略の専門家を育成した。とくに岩畔豪雄の凄まじい活躍は斯界で知られるが、いまの日本人は名前さえ知らないだろう。岩畔は戦後も活躍し、若泉敬らを育てた」 宮崎氏のメルマガの冒頭、見出しとしてこう指摘している。 「現代日本人の『情報学』への理解は世界最低だろう。先進国から日本が転落するとしたら、列強の情報戦に敗北することが原因となるだろう」 これまでは、事なかれ主義で受け身でしかない日本の対応からは、「短時間で効果的に『情報戦』を勝ち抜かないと日本は追い込まれてしまう」という危機意識がほとんど感じられなかった。 現在進行形の韓国との交渉では、友好国の立場をきちんと堅持しつつも、毅然とした態度を貫いてほしい。 参考:『勝つための情報学~バーチャルからリアルへ』山村明義著(扶桑社新書)ハッシュタグ
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