「血液クレンジング」を受けなくても「普通に呼吸していればいい」、1年以上前に警鐘を鳴らしていたニセ医学バスターが今回の騒動を分析
「『血液クレンジング』に批判殺到」記事が話題に
10月16日にツイッターでつぶやかれた「血液クレンジングなる謎美容をお勧めされた」という投稿が大きな反響を呼んだ。 「汚れで黒ずんだ血がクレンジングで赤く綺麗になる」という宣伝文句について、一連のツイートで「静脈の血は二酸化炭素を多く含む為黒くなり、肺で酸素を取り込むと赤くなる」、「わざわざ血液外に出して感染症のリスクを負ってまで酸素ぶち込まなくても、24時間体制で肺がやってくれてる」と一蹴したツイートは合計12万回以上もリツイートされた。 その後、10月19日(土)Yahoo!ニューストピックスでBuzzFeed Japanの「『血液クレンジング』に批判殺到」という記事が取り上げられ、著名な芸能人らがこぞって拡散している実態が明らかになった。各地の消費生活センターにも契約トラブルや「効果がない」と訴える声が寄せられており、専門家は「十分なエビデンスがあるとは言い難く、誇大宣伝だと考えます」と指摘しているという。 「血液クレンジング」のような「ニセ医学」を、「意識高い系」の人たちがハマってSNSなどで拡散する状況を鋭く批判し、『“意識高い系”がハマる「ニセ医学」が危ない!』(育鵬社)の著書もある五本木クリニック院長の桑満おさむさんは、以前から「血液クレンジング療法」について、「普通に呼吸していればいい」と警鐘を鳴らしていた。普通の医師は血液クレンジングなど絶対にやらない
桑満さんは、今回、あらためて血液クレンジングが話題になったことに驚いており、17日のツイートで、「オゾン療法ってかなり昔からあるトンデモ医療。なんで今頃、血液クレンジングが話題になっているのでしょうね?瀉血と同様に全く意味無しだと判断しています。」などと投稿。 20日に新宿ネイキッドロフトで開催されたトークショーでは、「血液クレンジングは普通の医師はどんなことがあっても絶対やらない。やっている医師や受けている芸能人はいろいろな事情がある人なのだろう」「年間7万人が10年間治療して、副作用の報告がないというのは、副作用があっても報告されていないだけとも判断できる」と分析した。 今回の騒動を受け、血液クレンジングを受けてSNSで拡散していた芸能人らは、投稿を削除したり、釈明に追われた。 気をつけていないと、ニセ情報におどらされて自分はおろか、大切な家族やファンの健康を危険にさらし、さらにはその「ニセ医学」の拡散の片棒を担がされることになりかねないことを自覚してほしい。 (文/山下徹) 桑満おさむ(くわみつおさむ) 五本木クリニック院長。ニセ医学バスター。1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に開院。“日本一の町医者”を目指し、地域密着型のクリニックを展開。またネットなどにはびこるニセ医学に危機感を抱き、エビデンスを用いて軽快かつ辛辣に論破していくブログで話題。NHK『チコちゃんに叱られる! 』(2018年6月29日放送)にも登場するなど、活躍の場を広げている。最新刊は『“意識高い系”がハマる「ニセ医学」が危ない!』(育鵬社)。
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