「道の駅」による地方創生イノベーション3

「道の駅」とは何か?

 この、「道の駅」は基本的に次の三つの機能を持つものとして整備されている。  第一に、道路利用者のための「休憩機能」。これを整備することは、国道や県道、市道等を管理する国や自治体の道路部局の仕事だ。  第二に、道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」。その地に観光で訪れた人々への情報提供や、地域の人々のための防災情報なども提供される。  その地の産物を販売することも広義の「情報発信」と言うこともできる。この機能の強化は、道路部局のみならず、地元自治体の仕事だ。  第三に、こうした情報発信、地産地消、観光振興等を通して、それらの事業に携わる、国、自治体から、その地域の産業組織(農協や漁協)、地元住民、地元コミュニティ等が「連携」し、地域社会を活性化する「地域連携機能」だ。この仕事は、それにかかわるすべての部局、組織が担う。  以上の三つが、「道の駅」の基本的な機能だが、これらは結局いずれも、「地域活性化」につながるものだ。だからこれらを通した「地域活性化」機能が「道の駅」の四番目の機能だと定義することができよう。  いずれにせよ、「道の駅」は20年以上前には存在せず、当時はあったとしてもせいぜいトイレと駐車場という最小限の施設だけだった。  しかし90年代から、前述のような多様な意味を持つ施設として整備されるようになり、今となっては当初では誰も想像しなかったような成功事例が全国に広がり始めている。

400 万人の買い物客を集める道の駅: 富士川楽座

 ここで、道の駅が如何に地方創生に役立ち得るのかを、最大で年間約400万人の買い物客を誇る「道の駅・富士川楽座」(以下、「楽座」と呼称)の例を通して紹介してみよう。 「楽座」は、静岡県道(富士川身み 延のぶ線)と東名高速道路の双方沿いにつくられた、静岡県富士市に位置する道の駅。  駐車場はもちろん「県道側」にも「高速道路側」にもつくられていて、双方の道路利用者が利用できる(なお、高速道路側については富士川SAと隣接している)。  この施設は、「アミューズメント・モール」となっており、市場やレストランだけでなく、ギャラリーやプラネタリウム、展示場などもつくられている。  筆者が訪れた時には、展示場では「ダンボールで遊ぼう!」というキャッチコピーの「ペーパーワールド」が開催され、多くの子供たちで賑わっていた。  この「楽座」の中心となる施設が、地元自治体(旧富士川町)がつくった5階建ての施設だ。 藤井聡著『インフラ・イノベーション』(育鵬社刊より) 著者紹介。1968 年奈良県生まれ。京都大学大学院教授(都市社会工学専攻)。第2次安倍内閣で内閣官房参与(防災・減災ニューディール担当)を務めた。専門は公共政策に関わる実践的人文社会科学。著書には『コンプライアンスが日本を潰す』(扶桑社新書)、『強靭化の思想』、『プライマリー・バランス亡国論』(共に育鵬社)、『令和日本・再生計画 前内閣官房参与の救国の提言』(小学館新書)など多数。
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