詩人・里みちこの世界(2)

梅雨時期に里さんから送られてきたお便り
いのちの四季
鍵山秀三郎著
『大きな努力で小さな成果を』(育鵬社)の編集を通じて、お便りをするようになった詩人・里みちこさんから、先日、また新しいお便りをいただいた。
里さんのお便りは、受け取った人の心を幸せにする。
そもそも、そのパッケージというか、外観がユニークである(冒頭の写真のとおり)。
こんなお便りをいただくと、梅雨空も楽しく感じられる。
まるで、梅雨の晴れ間のようでもあるし、梅雨そのものの、万物を潤す慈雨のようでもある。
以下は、そのお便りを通して知ったことだ。
里さんは、ある日の早朝、大阪城公園で、身体障がいをもつ男性が目の前の石の階段でよろけたのを見た。
「危ないっ!」と叫び、男性の腕をつかんで助けことがきっかけで、その男性のリハビリのために、産経新聞の『朝の詩』を読む、「朝の詩語り」を1対1で始めたという。
3年後、重症化したその男性は公園に姿を現さなくなったが、この「朝の詩語り」の参加者は年々増えていったという。
誰も来ない大雪の朝、いつもの場所で自分自身の耳に詩を聞かせた帰り道、桜並木で雪を払った枝先に小さな春芽を見つけた。
その春を待つ気持ち、喜びから、次の詩が生まれたという。
いのちの四季
思いきり泣いて春がきて
思いきり笑って夏がきた
いっぱい泣いたら秋がきて
いっぱい笑ったら冬がいった
春に花びらひとひら出会い
夏のお日さまきらきら浴びても
秋にはわかれのひらひら落葉
冬の風花ほらほら沁みて
泣いてるうちにまたも春
季節はめぐり
こころはめぐり
思いきり生きて
ひととせすぎて
いっぱい生きて
ふたとせすぎて
齢かさねて生きてゆく
今日もよろしく
はる なつ あき ふゆ
いのちよろしく
春 夏 秋 冬
里さんの言葉の引き出しには、たくさんの宝物がしまってあるようだ。
里さんの詩に興味を持たれた方は、南天荘画廊 http://nantensogaro.com/satomichiko/ 電話078-851-6729にお問い合わせください。
(文:育鵬社編集部O)