さまざまな韓国のチュサッパ団体

『北朝鮮を正しく理解するためのチュチェ思想入門』連載第12回 <文/篠原常一郎:元日本共産党国会議員秘書>

慰安婦問題を追及する挺対協

 また1990年代は、いわゆる「従軍慰安婦」--私は慰安婦と言いますが--の問題や「強制動員労働者」の補償運動が活性化しました。  この年、「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が結成されています。挺対協は、韓国ではチュチェ思想派だと公然と言われています。同会は、2018年に「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」という団体と組織統合して、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」と改称されました。  毎週水曜、ソウルの日本大使館前で抗議する「水曜集会」を開催し、2015年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意に反対し、日本政府に謝罪や賠償を求めています。  実はこの問題を創作したのは日本の左派なのですが、戦前、朝鮮半島は日本に植民地支配されていて、朝鮮半島から「日本軍」が「20万人」の少女を「強制連行」して「性奴隷」に仕立て上げたとしています。  だけどご存じのとおり、その根拠はまったくありません。20万人もの慰安婦を相手にするためには、兵隊は一体何人必要なのか。そういうことを考えると、到底あり得ない話です。当然ながら日本軍が朝鮮半島で、朝鮮人女性を「強制連行」したという歴史も存在しません。いくら探しても、それを裏付ける資料が出てきていないのですから。  とはいえ、当時は日本国民だった朝鮮人の女衒が、朝鮮人少女を民間の売春業者に斡旋したという歴史事実は存在します。そういった経緯で騙されて、慰安婦という職業に従事した少女はそれなりにいると思われます。

正義連の不正疑惑

 ところでこの正義連ですが、2020年5月7日、元慰安婦とされる李容洙【イ・ヨンス】が「募金がどこに使われているか分からない」と元慰安婦のための募金・寄付金の使途に疑惑があることを明らかにしたのです。  以後、韓国では正義連の不明朗な飲食費の会計記録や、亡くなった元慰安婦による奨学金の正義連幹部の子弟らへの優先支給などの疑惑が連日報じられるようになりました。さらに、複数の市民団体が前理事長の尹美香【ユン・ミヒャン】氏を告発しました。韓国の検察当局は同月20日に強制捜査に踏み切り、ソウル市内の正義連本部を捜索しています。

尹美香(Wikipediaより)

 また、尹氏や正義連は「親北疑惑」があり、尹氏は慰安婦問題での北朝鮮との共闘を主張してきました。夫の金三石【キム・サムソク】氏は元活動家で、妹の金銀周(キムウンジュ)氏と日本で北朝鮮工作員と接触した容疑で、1993年に韓国でスパイとして逮捕された過去があります。

700万人の強制労働者

 また、戦時労働に奴隷のように使うために「700万人」の朝鮮半島の労働者を強制動員したなどという嘘もまかり通っています。だけど朝鮮人労働者は700万人もいません。そもそも、終戦時に日本にいた朝鮮人は200万人に過ぎないのですから。実際に徴用で内地(日本)にやって来たのは10万人程度であり、それ以外の朝鮮人の労働者は応募工、つまり企業からの募集に自ら応募しています。700万人という数字は一体どこからでてきたのでしょうか。  それにもかかわらず、彼らは未だに嘘を吐き続けている。もはや定式化されていて、絶対に曲げません。差別と虐待、虐殺をされてきたという被害者としての民族の物語に疑いを差し挟むことは許されないのです。  面白いことに、「20万人の慰安婦と700万人の強制動員」という話は、チュチェ思想研究会のテキストに載っています。だから私は、チュチェ思想グループの共通したストーリーなのではないかと思っています。  チュサッパと言われる人たちの団体は、挺対協だけではありません。労働組合団体では、一つの韓国のナショナルセンターである「全国民主主義労働組合総連盟(民主労総)」。それからその傘下にある「全国教員組合(全教組)」。これは金大中政権の時以来、非合法でした。反国家団体の疑いをかけられていて、チュチェ思想の礼賛をやっていて、北朝鮮のお祝い行事に学校の子供たちを動員して、いろいろひんしゅくも買った団体です。  それから「全国言論労働組合(言論労組)」は、文在寅政権になってから活発に動いています。放送局や新聞の経営陣の交代運動をやって、労働組合出身の社長も生まれていて、韓国の世論が一気に左傾化しています。 「米基地反対運動」というのもあります。「平和オモニ(母)の会」や「済州島の会」、その他いろいろあり、この人たちが大挙して沖縄の辺野古にも来ています。    このようにチュサッパと言われる人たちは、大きな力を発揮しています。 【篠原常一郎(しのはらじょういちろう)】 元日本共産党国会議員秘書。1960年東京都生まれ。立教大学文学部教育学科卒業。公立小学校の非常勤教員を経て、日本共産党専従に。筆坂秀世参議院議員の公設秘書を務めた他、民主党政権期は同党衆議院議員の政策秘書を務めた。軍事、安全保障問題やチュチェ思想に関する執筆・講演活動を行っている。著書に『なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか』(岩田温氏との共著、育鵬社)、『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)など。YouTubeで「古是三春(ふるぜみつはる)チャンネル」開局中。
なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか

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