女子高生のリアル“けいおん部”がアツい!「アニメもアニソンも普通」【後編】

← 前編はこちら https://nikkan-spa.jp/102553 吹き荒れる“けいおん”旋風のなか、実際に高校軽音部に所属する女子高生たちが、劇中バンド・放課後ティータイム(HTT)の楽曲をコピーをする現象が数多くみられるという。都立鷺宮高校軽音楽部所属の1年生バンド「ばっかるこーん」も、そんなHTTコピーバンドのひとつ。文化祭のステージではTHE OFFSPRINGのナンバーとともに「Don’t say “lazy”」(同曲はHTTの前身的存在、桜高軽音部名義)を披露した。米メロコアシーンの雄とアニソン。一見食い合わせの悪そうな2曲が当たり前のように同居するイマドキの10代の音楽ライフとは? その実態に迫った。 ――文化祭のステージやライブを観に来るクラスメイトの反応は? ◆榎本 :文化祭のライブを観に来てくれた同級生も「あっ、これやるんだ」とか「あぁ『けいおん!』のヤツね」って感じで盛り上がってくれてます。 ◆河田 :さっきも言ったとおり、今のアニソンって普通に音楽番組とかでも流れてるから、作品を観るほど好きではないけど、曲は好きって人も多いんじゃないですか。実際、わたしもそうだし(笑)。昔の曲みたいに歌詞にアニメのタイトルや主人公の名前が入ってたりはしないから、みんな結構普通に聴いてるんだと思う。 ◆上原 :きっとアニメから曲を知るんじゃなくて、曲からアニメを知るパターンもあるよね。『けいおん!』もそうだし、あと(『銀魂』のテーマソングを多く手がける)DOESや、(『NARUTO』の主題歌を歌う)アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)みたいに、売れてるメジャーなバンドの曲がアニメの主題歌になってる場合、まずそのバンドのファンの人とアニメのファンの人がCDを買って、音楽番組なんかでも取り上げられるようになってから、アニメなんかには全然興味がない人が「ヒット曲だから」って聴いたり、調べたりしてみたら、実はアニソンだったって気づく、みたいな。 ばっかるこーん――確かにみなさんの部にもいるし、他校でもそうなんですけど、DOESの『銀魂』関連の曲、「曇天」や「バクチ・ダンサー」をコピーする軽音部バンドって多いですよね。 ◆上原 :実はわたしたちも今度コピーしようと思ってる曲のうち……。 ◆岩田 :3曲中2曲が『銀魂』の曲(笑)。 ◆上原 :ベース(河田)がTommy heavenly6の「pray」とBase Ball Bearの「Stairway Generation」(いずれも『銀魂』のテーマソング)をもってきて。 ――あれっ、河田さんはアニメにはあまり興味なかったんじゃあ? ◆河田 :確かにそうなんですけど『銀魂』は小学生のころから観てて、今も好きなんです。人気のある作品だから、わたし以外にも周りに好きな人は多いし、アニメ自体は観てなくても、劇場版のCMがいっぱい流れたりもしてたから「みんな、曲は知ってるんじゃないかな」って思って選びました。 ――あっ、アニソンを選曲する理由には「単に好きだから」ってだけじゃなくて「お客さんに盛り上がってもらいたい」っていう面もある? ◆岩田 :選曲するときは特にこだわってなくて、好きな曲やコピーできそうな曲をもってきてるだけだけど、ライブでやるのは、みんなが知ってて、盛り上がる曲を選ぶようにはしてます。 ◆榎本 :そうすると、なぜかアニソンが多くなる(笑)。 ――今、みんなが知ってるヒット曲っていうと、AKB48か嵐か芦田愛菜かアニソンくらいですもんね(笑) ◆上原 :で、『けいおん!』は音楽だけじゃなくて、作品も受け入れやすいのかなって。『銀魂』みたいに夕方やってるわけじゃない、深夜アニメなんだけど、美少女キャラがいっぱい出てきたり、オッパイがいっぱい出てきたりする「萌えアニメ」とはちょっと違う。基本的にはギャグというか、笑えるところの多いアニメだから。キャラが好きな人は多いけど、ストーリーは別に「萌えぇ!」って感じじゃないし。 ――そして、実際にみなさんのステージでもHTTの楽曲はウケているし『けいおん!』の曲として認知されている。ところで、リアル軽音部員から観て『けいおん!』ってどんな作品ですか? ◆上原 :アニメの中に練習してる風景はほとんどないのに、唯はギターをはじめてすぐに弾けるようになったりするから「そんなことはねぇよ」ってツッコミたくはなるんですけど(笑)、同じ高校生、軽音部員っていう目で見るならスゴく楽しそう。ああいうふうにできたらいいな、楽しそうだな、とは思ってます。 ◆岩田 :えっ、わたし、結構リアルに共感できる部分あるよ。初心者だからギターを弾いてるとすぐに指が痛くなったり、チョーキングが上手くできなかったり、できるようになったらチョーキングばっかりやってたりするところとか。ああいう気持ちはスゴいわかります。 ――なるほど。プレイヤー目線で観てみると、意外とバンド初心者ならではの描写にこだわった作品だ、と。最後に、『映画 けいおん!』はご覧になりますか? ◆上原・岩田 :もちろんっ!(即答) ◆上原 :ただ、ホントは公開初日に観たかったんですけど……。 ◆岩田 テスト期間中(笑)。 ◆上原 :なので、テストが終わったら、ダッシュで観に行きますっ! けいおん【成松哲(なりまつ・てつ)】 1974年大分県生まれ。ライター。「日経エンタテインメント!」「サイゾー」などに寄稿する傍ら、10代のトレンドを探るインディマガジン「kids these days!」を刊行。主な著書に『バンド臨終図巻』(共著。河出書房新社)など。 http://d.hatena.ne.jp/narima74/20200101/ktd
バンド臨終図巻

古今東西洋邦200バンドの解散の真相に迫る

Don’t say“lazy”

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