結婚とはそんなにいいものなのでしょうか?【男性40歳の悩み】
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆私は生涯独身を貫こうと考えています
ヤマオ(ペンネーム) 会社員 男性 40歳
生涯独身生活を貫こうと考えています。女性とは10年以上お付き合いしていませんが、別にゲイではなく、ムラムラしたときには風俗に行けばいいという考えです。基本的に一人で山へ行ったり、ライブに行ったりするのが好きなので、パートナーを作ることが面倒に思えて仕方がありません。こういう話をすると不思議な目で見られるのですが、もうそういう反応には慣れました(両親とは散々話をして、今では諦めてくれました)。
ただ、独身がいいという理由を「人に合わせるのが面倒だから」と言っても誰も納得してくれません。じゃあ、老後をどうするのか? と聞かれますが、そんなものは自分で貯金して、備えておけばいいことです。つまり、毎回同じことを繰り返し説明しなくてはならないのが面倒なのです。
なぜ、家庭を持つのが当たり前になってしまったのでしょうか? 結婚とはそんなにいいものなのでしょうか? この質問に対して、誰も魅力的な回答をしてくれません。宜しければ、佐藤さんのお考えを聞かせてくだい。
◆佐藤優の回答
私は結婚するかシングルでいるかは、個人の選択と思っています。1人暮らしでも、それは立派な家庭です。結婚したくないのに、世間体のために無理をして結婚しても、夫も妻も不幸になります。さて、シングルとして生きていく場合に重要なのは、仕事を辞めた後の生活設計です。老後破産に陥らないようにしなくてはなりません。
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田代さんは、白髪がフサフサとしていて、細身、歩くのも速く、一見、80過ぎには見えないほど若々しい。お洒落が好きなのか、緑色のパーカーにジーンズがとても似合っていた。しかし、話を聞くうちに「細身」なのは、食事を切り詰めているからだと知って、まず、驚いた。
(中略)
「次の年金支給日はあと数日後でしょ。だから、今は、ほとんどお金がなくなってしまって。買い置きしてあった冷麦を少しずつ食べているんですよ」
見せてくれたのは、2束100円ほどの冷麦の乾麺だった。
田代さんの収入は、厚生年金が月額10万円ほど。家賃は6万円なので残り4万円で生活している。光熱費などの公共料金に加え、保険料などを支払うと、手元には生活費が2万円しか残らない。家賃が重くのしかかっているが、余裕のない生活で貯金もできず、引っ越し費用も手元にないため、お手上げの状態だ。(『老後破産 長寿という悪夢』22頁)
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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