首都高、築50年超の路線は腐食でボロボロ――「首都圏インフラ」老朽化の危機
―[[首都圏インフラ]老朽化の危機]―
51年前に開催された東京五輪に際して、大規模なインフラ開発が行われた首都圏。しかし、2度目の東京開催となる’20年五輪を控えた今、足元を支えるインフラは次々に老朽化の危機を迎えている。現地で目にしたその惨状は想像を絶するものだった……
<首都高速道路>築50年超の路線は腐食で鉄筋剥き出しに
’20年の東京オリンピックに向けた「おもてなし」の最優先課題として、急ピッチで進められている首都圏のインフラ整備。しかし、5年後の未来に期待してばかりはいられない「ガタガタ」な状況が今、われわれの足元を脅かしているのだ。
都心の大動脈として、一日に100万台もの車両が行き交う首都高速道路。東京の平均的な一般道の5倍という交通量からも、その重要度がうかがい知れる。’64年の東京五輪開催に合わせて突貫工事で建設されたこの高速道路は、用地買収コストを避けるため、路線の8割が河川や一般道の上空の高架を通っている。
だが、技術の粋を凝らした「空中作戦」が、今や負の遺産になっている。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏は語る。
「災害によって首都高が崩壊することで懸念される第一の問題は、その下を走る一般道が寸断されてしまうことです。特に首都高の環状線では、その“輪”の中に国の中枢機関が集中している。そこに至る道が塞がれてしまうと、国の機能が完全に麻痺します」
3割が築後40年を超える首都高の中でも、53年と最も古い1号羽田線の東品川桟橋はリスクの最たる例。ここは橋げたと海水面との間隔が極めて狭く、足場の設置や船の進入が困難で老朽化が激しいことから、’12年に立ち上げられた有識者会議がいち早く大規模更新・高架化を決めたほど。
記者が現場を訪ねると、目につく部分は改修が進んでいるものの、海面近くは腐食でボロボロ。崩れ落ちたコンクリートの内部の鉄筋が剥き出しで腐食しているという無残なありさまだった。
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一日のうちでも潮が引いた3時間弱しか作業ができないという難工事区間であることから、今後の進捗にも疑問符を打たざるを得ない。完成は五輪後の’26年度を予定しているが、それまでに首都を襲う直下地震が来たならば、と一抹の不安がよぎる。
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