防衛費のムダ遣いワースト5――米陸軍が導入断念したオスプレイを倍以上の価格で購入17機3600億円
大きな話題となっている新国立競技場の建設費問題。オスプレイをはじめ、増額する一方の防衛費。「税金だから」といってムダ遣いが横行するケースは数多い。そんな税金のぼったくり事業の数々をジャンル別にランキングで発表!
◆割高な兵器を、拡大する防衛予算で買いまくり!<軍備>
今年1月、来年度予算が閣議決定されたが、防衛費は3年連続の増額で4兆9801億円と過去最高額に。「1機200億円」と史上最も高価な戦闘機とされるF35戦闘機や、1隻約1475億円のイージス艦など、超高額な軍備拡充が防衛費増額に拍車をかけている。
その中でも、省内でも異論があったといわれるのが、米国産の輸送機オスプレイを17機3600億円で「大人買い」したことだ。軍事ジャーナリストの神浦元影氏はこう言う。
「米陸軍はオスプレイMV22を、費用対効果の悪さに断念。CH-47ヘリとUH-60ヘリが最適と判断し、導入を中止しました。そのオスプレイを米国での価格の倍で買うとはひどいですね。オスプレイは機関砲もない輸送機にすぎません。通常の輸送機なら1機30億~50億円ほどが相場です。それに大型輸送ヘリが必要なら、警視庁や海上自衛隊も使っている国産のCH-101で十分。これなら1機あたり20億円で済みますし、メンテナンス費用も安く、使い勝手もいい」
ムダ・ぼったくり兵器はほかにもある。「開発が遅れて価格が上がり続けているF35戦闘機なんかやめて、ドイツやイギリスなど欧州各国が共同開発した戦闘機ユーロファイターにしたらよかったのでは、という声は以前から防衛関係に詳しい人間の間では指摘されていました。性能的にはほとんど同じですし、価格も安い。でも、防衛省には米国信仰があり、結局、F35が日本の次世代戦闘機に選ばれました」(神浦氏)。その背景には、予算をどうしても減らしたくない防衛省の都合があるようだ。
【軍備関連事業 ワースト5】
1位:輸送機オスプレイ
米国での価格は50億~60億円とされているオスプレイを、1機211億円で購入。しかも、佐賀空港の拠点整備費として100億円も計上。オスプレイ関連費は616億円に上る
2位:F35戦闘機
米国が開発中の次世代戦闘機F35は、1機約200億円に価格が高騰。欧州が戦闘機ユーロファイターを1機35億円で提示したが、政府はF35を6機1072億円で導入決定
3位:水陸両用車AAV7
米国産の水陸両用車AAV7を203億円で30両購入。機動力に欠け、陸から狙撃される危険があり、サンゴ礁海岸には対応しないなど、尖閣諸島防衛にも役に立たないと言われる
4位:イージス艦
今年度予算でイージス艦(1隻1475億円)を新たに2隻導入。「4年に1度、半年間の定期検査と、1~2か月間の年次検査が必要で、乗員の運用能力を下げないため」(海自)とのこと
5位:米軍再編費用
27年度防衛関係予算2110億円のうち、440億円は米軍再編関係。厚木飛行場などの周辺住宅防音工事、沖縄米海兵隊グアム移転、普天間飛行場移設に伴う施設整備費など
取材・文・撮影/横田一 SPA ! 税金ぼったくり取材班 写真/時事通信社
― [税金ぼったくり事業]ワースト5 ― ハッシュタグ