更新日:2022年06月23日 14:29
ライフ

「ういろう」の元祖は小田原にあった!500年間作り続ける“おもてなし”の気持ち

日本は世界一の“老舗大国”だという。その中でも特に古い、500年以上の歴史を持つ「超・老舗企業」を紹介。その持続可能な経営の秘密とは!?

「ういろう」の元祖は小田原にあった!!『ういろう』 ~(神奈川県小田原市)1368(正平23)年創業~

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1024406
ういろう

【写真は大正時代】ういろう本店は瓦屋根に白壁多層棟の八ツ棟造り。外郎家が八ツ棟造りを建てた際、天皇から祝いの言葉を賜ったため、以後建物が壊れると同じ造りで建て直すことになった。

 中国の元朝に仕えていた初代陳延祐(ちんえんゆう)が元の滅亡後日本に帰化し、中国での役職名だった礼部員外郎(れいぶいんがいろう)から「外郎(ういろう)」姓を名乗るようになった。京都で朝廷に仕えた2代目が、家伝薬の処方を持ち帰って丸薬「透頂香(とうちんこう)」を作り、さらに外国使節団を接待するための菓子も考案した。これが現在の和菓子「ういろう」だ。「ういろう」というと名古屋のイメージが強いが、元祖はこの外郎家なのだ。  その後、5代目・外郎宇野藤右衛門定治が北条早雲に招かれて小田原城下へ移り、東海道沿いで500年間丸薬と菓子を作り続ける。享保年間には歌舞伎役者2代目市川團十郎が咳と痰で台詞が言えなくなったが、この丸薬で全快したことからお礼にと歌舞伎十八番『外郎売り』の台詞が創作された。  ういろうの丸薬は、小田原に行かなければ買うことができない。原料を厳選し、手をかけ時間をかけてつくるため大量生産ができないのだ。「ものづくりのこだわりを放棄して販売を拡大する選択はありえない」と25代目当主の外郎武社長は語る。 「“人々の健康を守る”という、薬種業としての先祖代々の思いを大切にしています。菓子も、小田原に来てくれた人にもてなしの気持ちを込め手渡ししています」
ういろう

【現在のういろう本店】丸薬や和菓子などの製造から袋詰めまで、すべてこの本店で行われている

【ういろう】 神奈川県小田原市本町1-13-17 電:0465-24-0560 http://www.uirou.co.jp/uiro.html 営:10:00~17:00定休日:毎週水・第3木曜・12月31日・1月1日 小田原駅より徒歩15分※通信販売は行っていません ― 創業500年以上の日本企業 ―
おすすめ記事