デジタル

いつも見ていた普通のサイトで突如ウイルスに感染…対策はあるのか?

PC上の“脆弱性”を排除するのが第一歩

トレンドマイクロの高橋昌也氏

トレンドマイクロの高橋昌也氏

 このように、「怪しいサイトやメールは開かないから大丈夫!」と心がけた程度ではなんら防御策とはならない昨今のサイバー犯罪。我々はどのような対策を講じるべきなのだろうか? 「前述のとおり、汚染された正規サイトや不正広告を見た目で判別することはできません。ですが、そうしたウイルスがつけ入る“PCの脆弱性”を可能な限り潰しておくことがまず第一の対応策と言えます」  家に例えるとわかりやすい。PCへの侵入を試みるウイルスを泥棒だとするならば、この“脆弱性”とは割れた窓や穴の空いた壁。つまり、侵入経路となってしまう部分である。いくら家(=PC)の中に優秀な警備員(=セキュリティソフト)がいたとしても、侵入経路をふさいでしまわない限り、また別の脅威がひっきりになしにやってきてしまうというわけだ。 「脆弱性を潰すためには、まずOSやソフトは常日頃から意識して最新のものにアップデートしておくこと。“壁に空いた穴”を補修するプログラムが組み込まれたものに随時更新しておくことが、被害を未然に防ぐための第一歩でしょう」  ソフトのアップデートを促す表示がなされても、放置してしまっている読者も少なくないはずだ。こうした基本的な手段が、まずは個人でとるべき大きな対策なのだ。そのうえで、ウイルスを検出するセキュリティソフトにも万全を期しておきたいところだが……。 「弊社も『ウイルスバスター』などのセキュリティソフトを開発・販売していますが、こうした有償ソフトは、無償ソフトと比べると機能面、そしてアフターサポートの面で充実していることは間違いありません。ですが、無償だからまったくダメというわけではありません。まずはウインドウズに標準搭載されている無償のセキュリティソフトを使用し、自分が必要な機能やサポートを考えて有償ソフトの購入を検討するとよいでしょう」 【高橋 昌也 たかはし・まさや】 トレンドマイクロ株式会社 シニアスペシャリスト。ウイルスバスターなどの個人向け製品/サービスのマーケティングを担当。企業や団体のセキュリティインシデント発生予防、被害の最小化を行う TrendMicro Security Incident Response Team のメンバー。 http://safe.trendmicro.jp/ <取材・文/日刊SPA!編集部>
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