“記憶の残る名勝負”サベージvsスティムボート――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第64回
サベージのリングコスチュームはやや暗いトーンのピンクのショートタイツ、イエローのリングシューズとそのリングシューズと同色のイエローのニーパッド。タイツのフロントには大きな白い星印が3つ。お尻には“MACHOMAN”というニックネームがプリントされていた。
スティムボートは純白のロングタイツ、純白のリングシューズに東洋系をイメージさせる龍の刺しゅう入りのハッピ・ガウンといういでたちでリングに立った。WWEはスティムボートにブルース・リー的なキャラクターを求め、スティムボートもこのコンセプトをきっちりと演じた。
サベージのセコンドにはミス・エリザベスがつき、スティムボートのセコンドにはエリザベスに想いをよせる(ということになっていた)ジョージ“ジ・アニマル”スティールがついた。1980年代の因縁ドラマのストーリーラインはひじょうにシンプルだった。
14分35秒のファイトタイムのなかでサベージが使った大技はブレーンバスター、サイド・スープレックス、トップロープからのダイビング・エルボードロップの3つ。スティムボートはトップロープからのカンフー・チョップ以外、これといった大技はひとつも使っていない。観客の記憶の“誤作動”は、スティムボートがみせたある動きによって生じたものだ。
スティムボートがエプロンサイドからの回転エビ固めにトライした。サベージがこれをカウント2でクリアすると、スティムボートはサベージの背後からスクールボーイを決めた。これもカウント2。
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