“記憶の残る名勝負”サベージvsスティムボート――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第64回
スクールボーイのあとはジャックナイフ固め。ジャックナイフ固めのあとはインサイド・クレイドル(スモール・パッケージ・ホールド)。スリングショットからの回転エビ固め。後方回転エビ固め。リバース式の後方回転エビ固め。いわゆる大技ではなくて一瞬のフォール技の連続による“カウント2・9”のリフレインが、この試合に音楽のような旋律を与えた。
サベージがスティムボートをボディースラムの体勢に抱え上げると、スティムボートの右腕がサベージの左足にからみついた。そのままサベージが前方にローリングする形になり、スティムボートが上になってサベージの両肩をキャンバスにつけた。芸術的なフォールだった。
試合終了のゴングが鳴った瞬間、9万3173人の大観衆が総立ちになった。こうして“一話完結”のドラマが終わった。
敗者サベージはそれから1年後の“レッスルマニア4”ではWWE世界ヘビー級王座を手に入れ、この試合に勝ったスティムボートは“レッスルマニア3”からわずか3カ月後、ビンス・マクマホンと衝突してWWEを退団してしまう。プロレスラーの運命はどこでどうなるかわからないのでるある。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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