更新日:2022年07月02日 09:58
スポーツ

“記憶の残る名勝負”サベージvsスティムボート――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第64回

 スクールボーイのあとはジャックナイフ固め。ジャックナイフ固めのあとはインサイド・クレイドル(スモール・パッケージ・ホールド)。スリングショットからの回転エビ固め。後方回転エビ固め。リバース式の後方回転エビ固め。いわゆる大技ではなくて一瞬のフォール技の連続による“カウント2・9”のリフレインが、この試合に音楽のような旋律を与えた。  サベージがスティムボートをボディースラムの体勢に抱え上げると、スティムボートの右腕がサベージの左足にからみついた。そのままサベージが前方にローリングする形になり、スティムボートが上になってサベージの両肩をキャンバスにつけた。芸術的なフォールだった。  試合終了のゴングが鳴った瞬間、9万3173人の大観衆が総立ちになった。こうして“一話完結”のドラマが終わった。  敗者サベージはそれから1年後の“レッスルマニア4”ではWWE世界ヘビー級王座を手に入れ、この試合に勝ったスティムボートは“レッスルマニア3”からわずか3カ月後、ビンス・マクマホンと衝突してWWEを退団してしまう。プロレスラーの運命はどこでどうなるかわからないのでるある。(つづく)
斎藤文彦

斎藤文彦

※この連載は月~金で毎日更新されます 文/斎藤文彦 イラスト/おはつ ※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。
1
2
3
おすすめ記事