更新日:2011年11月07日 21:58
お金

東京電力救済スキームはむちゃくちゃ!

そもそも3月末、この「フクシマダイイチ」の事故が起きた後に銀行団は2兆円も追加融資。誰が見ても既に原発処理にかかる金額を策定できる状況ではありませんでした。彼ら銀行団は一体どうやって、貸付債権が安全と判断したのか。東京電力ですら自力では不可能と言っているものを返済可能としたなら根拠を示すべき。どう見ても政府が保証すると踏み込んで融資したと見るのが妥当でしょう。 そして今のままでいくと実に不思議なことが起きます。すなわち賠償金は足りない、自力では払えないと言いつつ(政府に払わせる=我々の税金で払う)片方で銀行からの借金は電力料金を値上げして淡々と返していく……。さもなければ銀行の融資はすべて不良債権になりますから、銀行の融資を国民が肩代わりすることになるのです(笑)。このスキームがむちゃくちゃだとわかりますね。 賠償金が払えない、払うと潰れると東京電力が言っているのですから、まず倒産して会社更生法扱いにする。そうすれば株式を減資して3兆円が出てきます。そして見込みを間違った銀行融資を、通常の会社更生企業と同じく債権カット。合計5兆~6兆円は出てきます。そのうえで給与、従業員をリストラして今の日本航空のように再生を図るのが「常識」。東京電力と銀行がすべての負担を国民に押し付ける今のスキームは論外です。 【今週の数字】 08年の最大電力 1億5900万KW 最大電力とは、1時間ごとの平均使用電力のうち最も大きい数字のこと。’08年の最大電力は約1億7900万KW。原子力、水力、火力の発電設備容量の合計約2億7750万KWを大きく下回り、電力は十分足りているとわかる

65年以降の発電施設の設備容量の推移と最大電力を比較すると、原子力発電なしでも十分に電力は賄えるということは明白だ(電気事業連合会HP、総務省統計データより作成)

図版/ミューズグラフィック
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