更新日:2022年07月24日 17:12
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「狭くてマグロが切れない!」築地市場の豊洲移転で仲卸業者たちが悲鳴

ターレなどの荷重に床が耐えられない?

⇒【写真】はコチラ(現在の築地市場を行き交うターレ)https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1168610
ターレが行き交う現在の築地市場

ターレが行き交う現在の築地市場

 また、床には築地のような荷重もかけられない。仲卸業者が入る6街区の設計では、1㎡あたりの床にかけられる重さは700~800kg。建築エコノミストの森山至高氏によると、この数字は流通系の施設では極端に低いという。 「1㎡あたり1.5t程度が普通で、重いものを扱う施設なら3tというところもあります。フォークリフトなどで荷を運ぶ市場で床荷重1tを切るということはちょっと考えられません」  自重1tのフォークリフトやターレ(荷を運ぶ乗り物)が600kgの荷を載せたら1.6tになり、それだけで床が耐えられる重さの2倍。活魚を入れる水槽なら、縦横1m、深さ70㎝程度のサイズのものに水をいっぱいに満たしただけで限度に達してしまうのだ。この点を都に尋ねた。 「確かに荷を満載したターレが床いっぱいに並べば床がたわむなどするかもしれませんが、通常の市場の使い方でそういうことは起きないので……。必要な荷重を設計事務所に指示して作られた建物なので大丈夫だと考えています」(東京都中央卸売市場新市場整備部)  だが森山氏は「床一面にターレが並ぶことはないと言いますが、それはどこの施設でも同じこと。それを前提に、1.5tや3tの設計にしているのです」と豊洲市場の設計のおかしさを指摘する。使い勝手の悪い市場に移ることを強いられた、仲卸業者たちの不満は根強い。 ― [築地市場の豊洲移転]新たな大問題 ―
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