更新日:2022年08月14日 11:41
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ISスパイの嫌疑を掛けられ拘束…常岡浩介が語る「僕が何度も捕まる理由」

送検さえできないのにガサ入れを強行した公安

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1253382
常岡浩介氏

ISの旗の前で、AK47自動小銃を手にポーズをとる。常岡氏は「ISは絶対に認められない」立場だ

 だが、常岡氏の消息不明の報が流れた日本では、ネットを中心に「常岡ISスパイ説」など事実無根の言説が飛び交い、’04年のイラク日本人人質事件のときのように「自己責任」「自業自得」といった声まで上がった……。  常岡氏は何度も海外で拘束されているうえ、’14年には、ISへの渡航を計画した北大生に同行取材を依頼されたかどで、私戦予備・陰謀罪容疑で家宅捜査を受けている。彼にはある種のレッテルが貼られてしまったのも事実だろう。 「大層な罪状ですが、2年もたつのに送検さえされていない……。誰が見ても立件できるわけないのに、捜査当局の一部は本気で立件するつもりだったらしい。もし本気なら、刑法の知識がなさすぎます。ただ、これまでの公安警察や警視庁公安外事3課の仕事ぶりを見ると、彼らはあり得ないことを信じ続けている。’04年のイラク人質事件では、人質たちによる自作自演説が首相官邸から流れたが、自衛隊関係者によると、官邸に情報を吹き込んだのは公安警察だった。僕の家のガサ入れでも、ISとの連絡に使っていた携帯電話は押収せずに、全然使っていないブラックベリー携帯を持っていきましたからね。実は、押収されなかった携帯には、通話記録も残っていたのに(笑)。そんな組織なので、雑な陰謀論を思いつき、それを本気で信じてしまうんでしょう」  外事3課は’02年の発足以来、ただの一件も事件を解決していないという。’90年代前半、一連のオウム真理教事件では、公安警察は坂本弁護士一家失踪、上九一色村の異臭騒ぎ……など多くの事件を見過ごし、後に地下鉄サリン事件が起きてしまった。
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