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愛読書の魅力をプレゼンしあう「ビブリオバトル」にコミュ障が挑戦

箇条書き、個人的エピソードを入れる、声を大きくがポイント

 イベントの常連参加者にビブリオバトルでの上手な紹介方法を聞いてみた。 「これだけは言いたいということを箇条書きしたりして、事前にいくつか決めるように私はしています。もちろん本自体のおもしろさも大切ですが、紹介する人の個人的なエピソードと本内容がうまくリンクしていると、周りの人も興味を引きつけられるのでチャンプ本に選ばれやすいですね。あと大前提として一番奥の人にも聞こえるように声を通すこともお忘れなく」。

参加者たちは紙にメモを取りながら熱心に話を聞く

 このようなポイントを意識して、シドロモドロではあったが取材班もなるべく具体的な自分のエピソードに結びつけるようにし、7分間の自分の持ち時間をなんとか消化した。テーマ設定がされていたので比較的しゃべりやすい部分もあったかもしれない。  当初は往年のコピペ技術でアマゾンレビューなど、他人の書評をパクってやろうと思っていたが、いざ話し始める自分の言葉でしか話せない。  しかも時間はたっぷりあるのに、当初こういうポイントを言おうと考えていた半分も話し切れなかった。好きな本やその感動を言語化して人に伝える難しさを改めて知り、自分がいかに無意識に読書をしていたのかがわかる。人へ紹介するという前提が頭の片隅にあると、きっと普段の読書への意識にも大きな変化があるだろう。  また、好きな本の魅力を語るという経験はあまりなかったが、一生懸命に耳を傾けてくれるのは、恥ずかしくも嬉しい体験だ。  蓋を開ければ、取材班の紹介した本はなんとか4票獲得。票が散ったこともあり一番票を多く獲得した本としてチャンプ本となった。初体験&取材という手前、変な気遣いをさせてしまったようで恐縮しながらも、素直に喜んでしまう。  しかし結果とは関係なく、ビブリオバトルは実際に参加してみると様々な発見がある。知らなかったオススメ本に出会えるのはもちろんだが、紹介する中で本について新たな発見もあり、もう少し自分の感動をうまく伝えられたのではないかと、悔しい気持ちも出てくる。実際、そうしてビブリオバトルにハマっていく人も多いそうだ。  舎人地域学習センターのビブリオバトルは少人数(大きいイベントでは30人以上集まることも珍しくないらしい)、かつ居酒屋での開催とあって、アットホームな雰囲気。初心者でも非常に参加しやすいイベントだった。今後も図書館での開催をベースにしながら、喫茶店や居酒屋など様々な場所を借りて開催していく予定だという。  本という共通の話題もある上、ある程度人となりがわかった後なので、初対面の人とも仲良くなりやすい。バトル後の交流もビブリオバトルイベントの魅力だ。興味のある人は一度参加してみてはいかがだろうか。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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