素人エロ小説がプロデビューできる可能性はあるのか?

素人のプロデビューの可能性を専門家たちが談義

 これだけマニアックな小説が増え続ける中で、果たして素人がプロデューできる可能性はあるのか?

「ネット上ではSMや近親相姦などウェットな作風の従来の官能小説とは一線を画する、軽いタッチのエロ系ラノベ(ライトノベル)が注目を集めていますね。ただ、ギャラが発生するわけでもないので、自分の欲望を発散したらたいてい満足しちゃう(笑)。だから連載が続かない人が多い。オタクカルチャーと親和性が高いからか多いのは、人気アニメやゲームのキャラを主人公とする二次創作モノ。エロマンガやエロゲーの影響も大きい」(前出・安田氏)

 実際にエロ系ラノベ雑誌・『二次元美少女マガジン』(キルタイムコミュニケーション)に傾向を聞いてみると……。

「エロマンガ、エロアニメ、エロゲに飽きてエロ小説に辿り着いたコアな読者が多いので(苦笑)、当然、ツンデレなど『萌え』は需要がありますね。ただ、オタク要素をあまりに重視してしまうと、肝心の官能が減ってしまうんです……」

 ラノベ評論家の榎本秋氏は、「ネット上では、読者と書き手の性的趣味が合えば、そこそこファンはつく。とはいえ、プロの小説家との実力は雲泥の差。同じ市場で勝負をしたら確実に負けます」と語るように、伝統的な官能小説とエロ系ネット小説の実力には大きな隔たりがあるようだ。では、何をもってプロに値する「いい作品」と評価されるのか。日本を代表する老舗官能小説出版社・フランス書院編集者はこう語る。

「濡れ場の描写に尽きます。ヒロインは上司の妻、隣人の娘、女教師……など背徳感がある設定。要は、ヤッたらエライことになりそうな女です。そんな清楚な女性がベッドでは……昼は淑女、夜は娼婦が理想ですね」

 実際、フランス書院では、この5年で50人のアマチュアがデビューを果たしている。
「持ち込みは受け付けてませんが、新人発掘のために官能小説大賞を年1回(11月末締め切り)開催してます。プロになった作家のなかには、昼休みに営業車でコツコツ応募作を書いた営業職の人もいます。作品で最重要なのは濡れ場、つまり、人並み以上にスケベならいい。文章の技巧は後からでも身に付くが、リビドーは天賦の才ですからね(笑)」

 プロデビューの可能性が高いのは、やはり従来の官能小説か。まずは自身のスケベ磨きから始めるべし!?

取材・文/加藤カジカ 齊藤武宏 港乃ヨーコ 大場真代 阿蘇珠子 ブラック小野(本誌)

― [素人エロ小説]のスゴい中身【11】 ―




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