更新日:2017年03月30日 16:04
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休業状態の川越シェフ、「水が800円」で炎上したレストランは庶民のお財布に優しい良店だった

むしろ年収300万円の人間こそ行くべき店だった

⇒【写真】はコチラ(コース料理) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1307142

よくわからないがどれも美味だった「タツヤ・カワゴエ」の料理

 まず出されたのはバーニャカウダ「代官山の畑」。  一口サイズにカットされた温野菜に食用花を添えたものを特製ソースとともにいただく。「花も食べちゃっていいんですか?」とW。  続いて「タラバガニ、トマト、レタスの温かいババロア」。 「ババロアってデザートでは?」とうろたえていたWだが、タラバガニの旨みと野菜の爽やかさが調和した味に「ウマい!」と大喜び。  続いてキャビア入りの「ホタテ焼きとナスジュレの冷製パスタ」、人生初のキャビアに感無量のW。その他燻製鮎のリゾット、平目のゆず風味、鶏肉のアサリとアボガドソースなど工夫をこらした料理に舌鼓を打つ。どれも繊細な味で、細部までこだわりを感じさせた。 「他の高級店は知らないけど、ありがたい。ネットで文句言ってる人は、贅沢すぎるんじゃないかな」(W)としみじみと語るWだった。

人生で食べた最も高級な料理が「シロコロホルモン」だという年収300万円以下(当時)のライターW。終始感激しきりだった

 酒もワインを中心に日本酒・ビールがそれぞれ数銘柄が飲み放題。そして、当時問題となっていた「水」もこの日は無料だった。  スタッフに質すと「800円の水を出していたのは数年前の話」。さらに基本コースとは別に、追加メニューも食べ放題だった。何より、1万5000円ポッキリで普通レベル以上のイタリアンとお酒を無制限にいただける場所は当時は他に見当たらなかった。  我々はその時強く思った。  むしろ、「年収300万~400万円の人」こそが小銭を貯めて川越氏の店に行くべきではないだろうか? と……。 「次回、料理を頼みまくってタッパーで持ち帰れるか?」と聞く我々のあまりの貧乏臭さに「デザートなら何とか……」と苦笑するスタッフであった。  Wはその後、シェフ川越の店は「3つ星、いやコストパフォーマンス的には5つ付けても良いぐらい」と絶賛していた。あえて苦言を呈するとすれば店内に小バエが数匹いたことと、一部の店員の風貌にチャラさを感じたことくらいだろうか。  川越シェフは最後に、我々が「記念写真を一緒に撮ってください」というと、快く応じてくれた。  あれから4年、決して美食家ではない我々であるが、「タツヤ・カワゴエ」のコストパフォーマンスに匹敵する店にはまだ出会えていない。  当時の公式サイトによると、食べ放題&飲み放題は川越氏の40代を迎えた次のステージとして始動したと書かれていた。「東京のレストランではこのコンセプトは初めての試み」とも。また、当時は複数の新店舗を展開を予定しており、コンビニ商品なども幅広く手掛け「手を広げすぎ」という批判もあった。  活動範囲を広げすぎて、またはサービスが良すぎて経営が苦しくなったのか? それとも他に事情があるのだろうか?  川越シェフの動向が気になるところだ。 〈取材・文/日刊SPA!取材班〉
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