アプリ開発ってどのくらい儲かるの?
いまやすっかりスマートフォンも生活の一部。そこで気になるのが、しょっちゅうお世話になる“無料アプリ”。作っている人は本当に儲かってるの? 素朴なギモンのアレコレを“中の人”にぶつけてみた!
Q:ぶっちゃけ、アプリ開発ってどのくらい儲かるの?
まずは、アプリ開発の収益モデルから解説してもらおう。
「有料アプリの場合、価格とダウンロード数で収益が全く変わってくるので、一概には言えません。無料アプリで説明しますと、まず、収益モデルは<広告モデル>と<個別課金モデル>の2つに大別されます。前者はアドネットワークと呼ばれるシステムをアプリに組み込んで、広告バナーがどれだけクリックされたか、またはどれだけ表示されたかによって収益が決まります。後者は、ソーシャルゲームでよく見られる手法で、特殊な装備や体力が回復するアイテムなどを“買いたい人だけ”に購入してもらうというモデル。ゲームにハマった人の中で一定の割合の人が課金してくれるわけですね」(iPhoneアプリ企画者・孫良氏)
ただし、個別課金を行うにはそれなりのシステムやメンテナンスが要求されるため、個人開発者にはやや荷が重い。広告モデルのほうが「手を出しやすい」と言える。
「よく使われているアドネットワークとしては『AdMob』『AdLantis』『AdMaker』『i-mobile』など。これらをアプリに組み込むだけで、基本的には勝手に広告が降ってきます。各社の営業努力や時期的な要素によって、出稿状況はまちまちなんですが、開発者としては営業努力をしなくてもいいのでラクですね。実は僕も、'09年に『TOKYO GALS』というアプリをプロデュースして、AppStoreで何週間か1位になったりしたんですが、当時は無料アプリはあくまでキャンペーン用と思っていました。有料アプリで稼ぐ手段しか採らなかったので、正直、そんなに儲からなかったです(笑)。残念なことをしました」(出版業、イベント開催・柿崎俊道氏)
今なら、AppStoreで1~5位になるような人気アプリの場合、広告のインセンティブだけで月20万~200万円の収益を上げることができるのだ(下記参照)。
「ミドルヒットを出すのが得意で、1本あたり月数十万円程度の売り上げになるパターンが多い人は、やっぱりジャンジャン出しますね。一方で、ビッグヒットが得意で、何か月に1本しか出さない、ホームランバッターみたいな人もいます」(孫氏)
◆アプリ開発による収益の相場は?(収益/月)
●超ビッグヒット…数千万円
100万ダウンロード以上。課金モデル
ソーシャルゲームが中心。一部占いも
●ビッグヒット…500万円
100万ダウンロード以上。広告モデル
パズルなどシンプルなゲームが多い
●ミドルヒット…20万~200万円
10万~50万ダウンロード程度
エンタメ系からニュース系、ゲームなどさまざま
AppStoreのランキング1~5位クラス
●スモールヒット…5万円
3万~5万ダウンロード程度
AppStoreのランキング30~50位クラス
【孫 良氏】
iPhoneアプリの企画者・プロデューサー。AppStore 無料総合ランキング日本一4回獲得。代表作は「漫画の新聞」「面白ニュースの秒刊マンデー」「無料懸賞ゲーム-CountDown30」。株式会社まさか代表取締役
【柿崎俊道氏】
アニメ・ゲームジャーナリストとして活躍するほか、アニソンイベント「アニクレ」を主催。その幅広い活動の中にはアプリの企画も含まれる。著書に『聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり』ほか
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