素人が[スマホアプリ開発]で儲ける方法
いまやすっかりスマートフォンも生活の一部。そこで気になるのが、しょっちゅうお世話になる“無料アプリ”。作っている人は本当に儲かってるの? 素朴なギモンのアレコレを“中の人”にぶつけてみた!
Q:プログラミング知識がなくてもアプリは作れる?
なにやら夢がありそうなスマホアプリの開発だが、「プログラミングとか全然わからないし、自分には関係ない」なんて人も多いだろう。だが、世の中には「テンプレートアプリ」というものが存在する。例えば、Androidアプリでは、プログラミング知識不要で、動画アプリ、アナログ時計ウィジェット、フォトアルバム、目覚まし時計などを自動作成できるサービス「ドロクリ」(http://dorokuri.com/)が話題。有料(1000円)で、作成したアプリをAndroidマーケットでも販売できるようになる。
こうしたアプリは、アメリカでは「クッキーカッター・アプリ」(クッキーの型で抜いたように形が定まっているアプリ)と呼ばれ、一時は貧弱なコンテンツでアプリの体を成していないものも出回ったため、さすがに粗悪なアプリは審査を通らなくなったが、内容とアイデア次第では、十分に「素人がヒットを狙い得るジャンル」と言える。
iPhoneアプリの企画者・孫 良氏も「テンプレートというのは、ほぼ改変できないということなので、それだと『素晴らしいユーザー体験を担保できるのか?』という点に少し疑問が残ります」と前置きしつつ、「とはいえ、基本的にテンプレートになりやすいジャンルというのもあり、書籍や写真集などは、優れた仕様になっていればテンプレートでも問題ないかと思いますね。私も〈ニュース〉ジャンルでテンプレートに近い事業をやっていたりします」と話す。
孫氏はこれまでに、独自のニュースアプリプラットフォームである「NEWS AGENT」をカスタマイズしたニュースアプリを多数リリースしているが、人気サイトをアプリ化した「虚構新聞」「面白ニュースの秒刊マンデー」は、いずれもAppStoreで「総合1位」を記録している。
そんな優良コンテンツが手元にあれば苦労しない……なんて嘆くなかれ。儲けのタネはどこに転がっているかわからない。
「日本のとあるケータイコンテンツメーカーに、インドの会社から〈美少年コンテンツ〉を作ってほしいというリクエストが来たという話を聞きましたよ。『美人時計』の美少年版みたいな(笑)。慣習上、インドでは性的に抑圧された女子が多いので、BL的コンテンツがひそかな人気らしいんですね。スマホアプリというのはボーダーレスに海外でも売られるわけですから、その点に目をつければ、儲けのネタは人が思う以上にたくさん転がっているはず」(出版業・イベント開催・柿崎俊道氏)
電子書籍や写真集の有料アプリを、Facebookなどで友人知人に宣伝して買ってもらい、手軽な自費出版のように小遣いを稼いでいる人もいるとか。
「『電子書籍をフリマで対面販売する』というイベントがあったんですが、一日で5000冊以上も売れたんですよ。大手電子書店に置いてもらうのはムリでも、ターゲットを身近な人々に絞れば、自作のコンテンツを“売る”ことは十分に可能なんです」(同)
【孫 良氏】
iPhoneアプリの企画者・プロデューサー。AppStore 無料総合ランキング日本一4回獲得。代表作は「漫画の新聞」「面白ニュースの秒刊マンデー」「無料懸賞ゲーム-CountDown30」。株式会社まさか代表取締役
【柿崎俊道氏】
アニメ・ゲームジャーナリストとして活躍するほか、アニソンイベント「アニクレ」を主催。その幅広い活動の中にはアプリの企画も含まれる。著書に『聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり』ほか
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