更新日:2022年08月25日 10:11
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スポーツ前後に摂ると有効な栄養素は? 次の日に疲れが残りにくくなる!?

スポーツ後に摂りたい成分は?

 まず、運動後1時間以内を目安に補給したいのが、クエン酸です。摂取された糖は肝臓でグリコーゲンに変えられて貯蔵され、このグリコーゲンがさらに分解され、筋肉などに移動してエネルギー源として働きます。クエン酸は、このグリコーゲンの貯蔵量の回復を後押ししてくれるのです。使ったエネルギーはきちんと補給することで、次の日に疲れを残さないことが大切です。クエン酸は原材料や添加物としてたいていのドリンクに含まれています。  また、筋トレをした時などは、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)などのアミノ酸を摂取するとよいでしょう。筋力が強くなるのは、筋肉がトレーニングによって一度破壊された後に回復する時です。この回復時にアミノ酸が使われるように摂取するのが効果的です。筋肉の回復は、運動後2時間後にピークを迎えます。ですので、アミノ酸の吸収にかかる時間も考慮して、トレーニング後30分以内に摂取すると良いでしょう。また、ロイシンはインスリン分泌を促進させるため、筋タンパク質の合成が増大する効果があります。  D-リボースには乳酸の生成を抑制する作用があるため、疲労回復や筋肉痛を和らげる効果が期待できます。さらに、激しい運動や疲れている時などエネルギーが消費される時には、エネルギーの放出・貯蔵、あるいは物質の代謝・合成の重要な役目を果たしているATP(アデノシン三リン酸)が分解されます。そのため、ATPを再生する必要がありますが、D-リボースはエネルギーの源であるATPを構成する成分であり、ATP産生に必要です。  スポーツ前や後にエナジードリンクを飲む場合には、これらの成分の配合量に着目してみるとよいのではないだろうか。 【深野真季子(ふかの・まきこ)】 管理栄養士・フードスペシャリスト。平成2(1990)年、北海道生まれ。藤女子大学人間生活学部食物栄養学科卒。栄養学を専門に学び、管理栄養士・フードスペシャリストの資格を取得。清涼飲料メーカーで法人営業を経験した後、北海道産機能性食品開発推進コーディネーターを経て、現在はNPO法人遺伝子栄養学研究所管理栄養士。公益財団法人北海道科学技術総合支援センター(略称ノーステック財団)での講演など、食の機能性に関する啓発活動を行っている。最新刊は『どれ飲む?いつ飲む?エナジードリンク・栄養ドリンクのすべて』(共著、育鵬社)
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どれ飲む?いつ飲む?エナジードリンク・栄養ドリンクのすべて

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