だが、当時は家事に受験にと、文字通り寝る間も惜しむ毎日。Wさんのことなどいちいち気にせず、適当にやりすごしながらFさんは受験の日を迎えることとなる。 「試験が終わって自己採点をブログにアップしたところ、コメント欄でバトルが始まっていたんです。Wさんの書き込みに対して、別の方が『こいつは合格者じゃない。いろんなブログに偉そうに書き込みしてるベテ（※受験年数が長いベテラン受験者のこと）だ！』と書き込み、泥仕合になってしまったんです。最後は私まで巻き込まれて、『お前なんか受かってねぇよ！　ババア』とか、『その点数じゃ合格は十中八九無理。これから司法書士試験の地獄を味わってください』なんてことまで書かれました。人の“庭”でケンカするな！って思いましたね」 　だが、そんな書き込みをものともせず、Fさんは見事合格。司法書士となった。 「今考えるとWさんは合格者じゃなかったと思います。合格者じゃなきゃ知らないこととか、ほとんど書き込まなかったですしね。司法書士の受験者って、司法書士事務所で働きながら受験してる人が多くて、そういう人は合格してなくても実務経験が豊富でいろんなことを知ってるんです」 　実務経験は豊富なのだが、試験には落ちて資格はない……そんな屈折した思いのはけ口がFさんのブログへの書き込みだったのかもしれない。 取材・文／SPA!ネット嘘つき取材班 ― ［ネットで嘘をつく人々］の病理 ―