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ビジネスで生き残るには、上司や取引先を驚かす“サプライズ上手”になれ――AI時代のサバイバル術

「とりあえずチャレンジ」はAIにはできないこと

 脳の専門家である早稲田大学の枝川義邦教授も、教養の重要性を強調する。 「AI時代には“知能”より“知性”を身につけなくてはならない。『あいつは勉強できるのに、知性のカケラもない』などと言うように、知能と知性は別物です。暗記や情報処理が得意なのは“知能”で、これはAIの得意分野。一方“知性”は、自分が持っている経験に新しい情報を組み合わせて、これまでにないひらめきを生み出していく力です。そのベースとなるのは、単なる知識ではなく、一般常識や豊かな感性といったものを含む“教養”なのです」  ひらめきを得たら、積極的に発信していくことも重要だという。 「SNSでも、気の利いたリプライを返す人よりは、つまらなくてもいいから自分から発言するほうがいいでしょう。現にAIがそこそこ気の利いた返しをするアプリなどもあり、AIの優れたパターン認識力があれば“応答”はできてしまう。受け身に徹さず、自分から発信していくことで、ひらめく力も鍛えられていきます」  最後に、激変する時代に不安があっても「とりあえずチャレンジしてみること」と枝川氏。 「なぜなら『とりあえずチャレンジ』こそ、AIにはできないことだからです。AIにとっては、どの判断も全力投球で、『失敗しても次があるからいいや』とはなりません。ギャンブル的な勝負に出たり、無謀な挑戦をして失敗できるのも人間だからこそ。『別に死んだりしないんだから』の意気で、軽やかに人生を楽しもうではありませんか」 ★AI時代に生き残る人……豊かな教養と感性を持ち“想定外”を恐れない人 【藤原敬之氏】 作家。ファンドマネジャーとして活躍した後、作家に。『フォーブス・ジャパン』で小説「バタフライ・ドクトリン」を連載中(波多野聖名義) 【枝川義邦氏】 早稲田大学研究戦略センター教授。専門は脳神経科学。近書に『たった30日! もの忘れストップ! 大人の記憶脳ドリル』(学研プラス) ― AI時代に[生き残る人・消える人]の境界線 ―
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