ビジネスで生き残るには、上司や取引先を驚かす“サプライズ上手”になれ――AI時代のサバイバル術
人工知能(AI)の進化によって仕事を奪われる――。そんな話を聞いたことがある人も多いだろう。すでに、「ロボットが接客する世界初のホテル」や「ドバイ警察がロボコップを正式採用」など象徴的な事例はあるが、我々の職場にも「AI化」は日々忍び寄っているのだ。
AI時代が到来しても“生き残れる人”とは? そこではどんなスキルが役立つのか。
「AIの登場で、これはもう、ファンドマネジャーには戻れないなと思った」と言うのは、かつてスゴ腕のファンドマネジャーとして名を知られた、作家の藤原敬之氏。その経験を生かし、AIの進歩が経済の大混乱を引き起こす一種のディストピア小説を雑誌連載中だ。
「ファンドマネジャーの仕事というのは確率変数の認知と確率過程の形成なので、これほどAI向きなものもない。非常に優秀な現役のファンドマネジャーたちですら、大きな危機感を持っています。それでも彼らは、まだ人間としての付加価値を与えることはできると言う。マメに会社訪問をして独自の情報を得るとかね。ただ、僕自身はこの点については懐疑的。世の中、なんでも規制が厳しくなる方向にあるから、独自の情報収集は一種のインサイダーと見なされるようになるかもしれない。いずれにせよ“人間としての付加価値”というのは、言うほど簡単に与えられるものではないと思う」
そうした流れのなかで、生き残っていくためにはどうしたら?
「僕はつねづね、ビジネスで生き残っていこうと思うなら、上司に対しても取引先に対してもサプライズを与えるよう心がけろ、と若手に言ってるんです。これはAI時代にも効くはず。サプライズはAIの不得意分野だからね。例えば、明日提出しろと言われたものを1時間後に提出するとか。相手を具体的にイメージし、その相手に対してどんな価値を自分が提供できるかを“考える”んです」
そのためには“考える力”を養わなくてはならない、と藤原氏。
「スマホばっかり見てちゃダメ。スマホのニュースを見て『おっ』と思うのは、ただの反応であって思考ではないから。とにかく本を読むこと! それも、情報収集のために拾い読みするのではなく、小説でも思想書でもいいので、じっくり時間をかけて読んで、そこに書かれていることを具体的にイメージしてみる。そうすることで、思考力が鍛えられるし、自分なりの切り口が見えてくるはず」
AIの苦手分野を鍛えて生き残るべし!
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