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なぜSNSで空気を読めないおじさんが多いのか――原田まりる×りょかち対談

狙った子に向けて投稿しても本人がフォローを外している可能性大

――具体的に男性の投稿でセクシャルだなぁって思うのはどんな投稿ですか? まりる:知り合いの40~50代男性でも、FBやインスタに自撮り写真ばかり上げている人もたくさんいらっしゃる。そういう方に、「自撮り多くないですか?」って突っ込むと、「モテると思って」っておっしゃる。冷静に見れば「誰がかっこいいって思うんだろ」って考えるんですが、本人はそこに気づいていない。セクシャルタイプは自己愛が強いこともあり、客観視した投稿が苦手なように見受けられます。 りょかち:特定の人を意識した投稿をしても、肝心の本人にも「痛い」って思われてしまうのがオチですね。「SNSの痛い人」について女の子の間でも話したりしますが、そういう投稿する人はだいたい女の子にフォローを外されてタイムラインに流れてこないように設定されているか、そっとミュート(フォローしたままタイムラインに流れてこないようにする)されていたりしますね(笑)。 ――ということは、狙っている子にそのメッセージは届いていないってことですよね……。 まりる:残念ながら届いていないかもしれませんね。私もキツいなって思う人はすべてフォロー外してしまうから、最近は自撮り投稿減ったよなぁってすがすがしく感じるほどです。 りょかち:しかも、そういう人って、リアルに会ったときに「こないだ北海道旅行の写真あげたじゃん?」って見ていることを前提に話してくるのが厄介ですね。「いやぁ、見てない設定にしていますから」って、言えない(笑)。 ――フォロー外されているのって相手側は気付かないですもんね。切ないです。 まりる:必ずしも自己愛が強い人を否定しているわけではないんです。SNSで距離感がはかれていない人はセクシャル値だけが異常に高くて、バランスが取れていないんだと思います。だから、そこを客観視できるようにならなければいけないんですけどね。 りょかち:そうですね。自分のなかにあるセクシャルな部分をネットというみなさんが見るオフィシャルな場でさらすから笑いものになってしまう。女性は特に、その人の投稿からいろんなことを連想します。「なんでこの人、品川に住んでいるのに秋葉原によく出没しているんだろ」とか「最近、この子にやたら『いいね』しまくってるな!」とか、怪しい言動がすべてタイムラインに上がってきますからね。「ああ、この人って、今この子のこと狙っているんだろうな」って第三者からもわかっちゃうんです。 ――自己愛の暴走を止めないと、特定の子だけではなくあらゆる女性から痛い人だって思われてしまう危険性があるんですね。 りょかち:はい。twitterとfacebookで、狙っている子に『いいね』しまくるのも気を付けたほうがいいですね。 まりる:周りを見ずに無邪気にSNSを自己流に使ってしまうと、どんどんその人の評価が下がってしまうということです。せっかくリアルで築いた信頼関係すら崩してしまうことになりかねません。 りょかち:でも、SNSっていろんなタイプがいるから、それが垣間見れるから趣深いというか、楽しめるというところも、正直あるんですけどね(笑)。 【原田まりる】 1985年京都府京都市出身。哲学の道のそばで育ち、高校生時哲学書に出会い感銘をうける。京都女子大学在学時よりおこなってきた芸能活動を経て、現在は作家・哲学ナビゲーターとして活動。著書に『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)、『ニーチェが京都にやってきて、17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)、『日々の悩みが消える哲学手帳』、11月に新著『まいにち哲学』(ポプラ社)が発売予定 【りょかち】 1992年生まれ。京都府出身。IT企業の社員として働く傍ら、通称「自撮ラー」を名乗り、SNSに自撮りをアップし続ける自撮り女子。若者文化やセルフィーアプリに関心を持ち、自撮りを始めとするインターネット文化についての取材も多数受ける。著者ツイッター: @ryokachii <構成・文/日刊SPA!取材班>
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