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年金「75歳」説の誤解。むしろ8割増の明るい未来がやってくる

 10月に行われた衆院選では圧勝した自民党だが、2018年は春に日銀総裁人事、秋には自民党総裁選があり、その先には2019年10月の消費増税が控えている。自民は今後、10%への消費増税を行う見込みで、増税分は年金や子育てなどの社会保障関連に充てることが決まっている。社会保障の充実のための消費増税であるが、将来不安はぬぐえない。理由には、「人口減少」「少子高齢化」「実感なき景気回復」といった漠然とした将来不安があるからだろう。

「人口減少・少子高齢化社会というのは必ずしも楽観できる社会ではないですが、実は国による対策は意外と講じられています」と話すのは、経済解説者の細野真宏氏。国がすでに行っている対策とは何か?

「これまで世界のどの国でも『人口が増える』ということを前提に経済の仕組みがつくられてきました。しかし、これからの日本は誰も経験したことのない人口減少・少子高齢化社会に突入し、その対策を行うことは史上初の試みでもあります。ただ、実は対策はそれなりに打たれてきています。象徴的なものは年金制度です」

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年金「75歳」説は誤解!?


 年金といえば、65歳からもらえるのを「75歳」に引き上げる議論が出ている。一部メディアでは、「すでに実質破たん状態で、75歳支給開始で、夫婦で2655万円減る」とも報じられている。

「それは初歩的な間違いです。実は日本の年金制度は2004年の段階で、この先の少子高齢化社会に対応できる仕組みに変えられています。75歳に引き上げる議論が出て、『年金は75歳になってからでないともらえなくなる』と不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。ただ、それは間違った情報で誤解なのです」

 では、「年金は75歳からもらえる」とは、どういう話なのだろうか?

「日本の年金の仕組みは65歳をベースにしていますが、昔のように60歳から早めてもらうこともできます。もちろん、遅らせて70歳からもらい始めることもできます。ただ、日本は世界有数の長寿国で、健康でいられる健康寿命もWHO(世界保健機関)の調査で世界一にまでなっています。そこで、年金の話とは全く関係なく、日本老年医学会など専門学会が、“日本の高齢者は75歳前までは心身の健康が保たれているから高齢者の定義自体を75歳に変えないと誤解につながる”といった提言をしているのです。つまり、日本人が長生きとともに元気になってきているので、年金制度の使い勝手をいいものにするため、『75歳からでも受給を遅らせることができる選択肢を広げてはどうか』という案が検討されているだけなのです」

 日本では、すでに2004年の段階で年金をもらう年齢は個人の選択制になっていて「年金の支給開始年齢」という言葉が意味を持たなくなっている。「75歳からしかもらえない」わけではなく、「もらう年齢を遅らせて75歳からでもいい」と選択肢を緩和する、というのが事実なのだ。

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年金は8割も増えた状態でもらえる

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