お金

1000万以上の貯蓄が200万に…仮想通貨相場に翻弄された経済担当記者の顛末

悲劇の人

パニックになり損切りどころではなかった

 今年1月16日、それまで200万オーバーだったビットコインの価格が暴落。わずか1週間程度で、その価格は80万円と半分以下にまで落ち込んだ。もちろん、ビットコインに引っ張られるように他の仮想通貨価格も暴落。各社のニュース、報道でもトップで報じられるほどで、皮肉にも仮想通貨という存在が、これまでにないレベルで、市民に認知された瞬間でもあった。新藤さんは、仮想通貨暴落に関する取材をするために、仮想通貨取引所の関係者、識者、金融庁周辺を取材していたが、生きた心地ではなかった。 「資産は減るし取材もしなきゃいけない。本当は、チャートにへばりついてどうにか損切りしたかったが、目が回るように忙しく、携帯をポチポチやってる暇はありませんでした」  気が付いたときには、最大で2600万円相当だった仮想通貨保有額は、800万程度まで落ち込み、当初の日本円の貯蓄額を下回った。仕事が終わると、一目散に自宅に帰り、仮想通貨チャートをにらみながら、何とか損失を回復しようとあらゆる仮想通貨の売買をしたが、とにかく下がる一方で、最終的な保有額は200万円台まで下がってしまった。その後も仮想通貨の大手取引所で、すべての取引が停止されるという騒動などもあり、やむなく損切り。とはいえ「損切り」などとは言えるレベルではなく、パニックになって慌てて「売り払ってしまった」のが現実。新藤さんはやっと仮想通貨に抱いていた幻想から目が覚めた。 「1000万以上あった貯蓄が200万になった。まじめに働いて貯蓄した金で、今年は結婚しようとひそかに考えていた。でもこれですべて台無し。会社を辞めて専業トレーダーに……なんて考えていた自分を殴りたい……そんな気持ちです」  新藤さんだけではない。仮想通貨が見せてくれた幻想の上で小躍りし、今年の暴落で何もかも失った、という記者仲間も多かったというのだから、ほとんど「インサイダー」に近いグレー取引に手を染めていたマスコミ連中の悲哀は「ざまあみろ」とこき下ろされても当然のように思える。 「おいしい話には裏がある、悪いことをしてはいけない、こういった当たり前の感覚を持って、日々の業務に取り組んでいなければならないはずなのが我々でした。まさに自業自得。誰にも文句を言えないし、とにかく自分の浅はかさを恨みます」  普段はジャケパンスタイルで颯爽とビジネス街を闊歩する新藤さん。大手マスコミで働く、いかにもな「業界人」らしい立ち振る舞いも、今回ばかりはみすぼらしく、そして小さく見えた。<取材・文/山口準>新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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